学資保険は誰名義で加入すべき?

ざっくり言うと・・・

・父親か母親かではなく、家計に影響の大きい方の名義で加入する
(既に保障に入っている場合はそちらを加味)

・専業主婦の場合、母親に万が一があった際の影響が大きい事も考慮する必要がある

・離婚した場合には、親権者に契約者の名義変更をするのを忘れずに
(解約し、財産分与の手段もあるが解約返戻金が大幅減額が想定されるのでおすすめしない)

・お子様を受取人とした場合贈与税の対象となるため、学資保険の受取人は契約者と揃えておいた方が良い

★ここに目次

資保険に加入するにあたり、契約者の名義を夫と妻どちらかするかということは、非常に大きな問題です。

かつてはこういった保険は一家の大黒柱である父親を契約者として加入することがほとんどでしたが、最近では父親が加入するよりも母親を契約者とするような提案をする保険会社や保険代理店も増えてきているようです。

学資保険には契約者が死亡もしくは所定の高度障害になった場合に以後の保険料の払込が免除される「保険料払込免除」という機能がほぼ標準(一部は特約として付加)で付帯しています。

単純に月々の保険料に差があるから、ということだけでなく仮に父親に万が一のことがあった場合と、母親にあった場合をしっかりと検討し、こういった保険料の払込免除の意味合いや、長い契約の中で起こり得るリスクについてお伝えしていきたいと思います。

  1. 契約者は父親と母親、どっちがいいの? h2


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結論から言うと、「父親」か「母親」ではなく、世帯としてより収入がある方を契約者とすることが重要です。

つまり、いずれかを契約者にした時に、その契約者に万が一のことがあった場合、残されたご家族が以後の保険料の支払いに困ってしまうのは、どちらの場合かということで決めるのが一般的です。仮にどちらに万が一の事態があっても、状況は同じぐらいだということであれば、父親・母親のどちらを契約者にしても問題はありません。

最近では夫婦共働きで、奥様の方が収入が高いというご家庭も珍しくありませんが、まだまだ少数のようで、依然としてご主人が一家の大黒柱のご家庭が多いことから、父親を契約者とされるケースが多くなっています。

つまり、母親よりも父親に収入があるので、父親を契約者にするというとです。

そのため、母親の方が父親より収入がある場合は、母親を契約者にするのが良いということになります。

以下、毎月給与所得のある父親と、専業主婦のご家庭を例に、父親と母親それぞれ学資保険の契約者になる場合について見ていきましょう。

(奥様に毎月給与所得があり、ご主人が専業主夫のご家庭は、父親と母親を入れ替えてご覧ください)

■父親?母親? 保険契約者にするメリット・デメリット h3

<父親が契約者になるメリットとは>

多くのご家庭において、より収入が多い方にあてはまるのは父親であり、その父親に万が一のことがあった場合、その後の学資保険の保険料を支払い続けていくことが困難になります。

そういった場合でも「保険料払込免除」によって、以後の保険料を支払うことなく、教育資金を残すことができます。

<母親が契約者になるメリットとは>

一方で、母親が契約者になるメリットもあります。それは、貯蓄型学資保険・保障型学資保険いずれの場合も、父親に比べて保険料が安くなるということです。

満期時に受け取る金額の設定が同じであれば、保険料が安いということは、返戻率(へんれいりつ)が上がるということでもあります。

これは、20歳〜59歳までの死亡率を比較すると、男女比で圧倒的に女性の方が死亡率が低いことによります。

<母親が契約者になるデメリットとは>

保険料が安くなるというメリットの反面、専業主婦のご家庭の場合、母親が契約者になるデメリットもあります。これはこの章の冒頭でもお伝えしている通り、一家の大黒柱である父親に万が一の場合は、保険料の払込免除は使えず、以後の学資保険の保険料の支払いが困難になる可能性があるということです。

■学資保険は契約者ではなく、家計の保障の観点を忘れずに! h3

ここまで非常に一般的な話をしてきましたが、実は学資保険の契約者を決める上で考えなれければいけないのは、父親・母親の収入の多寡以上に、それぞれに万が一の保障がきちんと準備されているのかということです!!

<「父親」と違い案外見落とされがちな「母親」の保障>

多くの場合、父親には万が一に備え、生命保険等何かしらの保障をかけていらっしゃるご家庭が多いのではないでしょうか。一方で、母親に万が一のことが会った場合はどうでしょうか?

おそらく父親の場合と比較しても、生命保険の金額は少額であったり、全く掛けていないというご家庭も珍しくないと思います。実はここが保障を考える上で大きな盲点になっていることが多いのです。

<専業主婦(主夫)の平均家事年収は469万8,670円!>

キリンビールが2016年9月に発表した「主婦の年収シミュレーター」によると、全国の主婦(主夫)の家事を年収に換算した平均家事年収は469万8,670円という結果がでています。そのうち一番高い項目が、「夕食を作る」で123万42円相当の労働になるそうです。

仮にお子さまが非常に小さい時点で母親に万が一があった場合、父親は一人で働くことはできません。お子さまをご実家に預ける、祖父母に見てもらうなど、親族に頼るという方法か、家事として必要な部分を家事代行サービスなどの外部サービスに依頼するという方法をとる必要があります。

そうなった場合、お子さまが一人で留守番等ができる一定の年齢まで、上記のような大きな支出をする必要がでてきてしまいます。専業主婦(主夫)のご家庭において、一方が稼いできているというのはあくまで役割上のことであり、家事や子育てを担当する支えがあって初めて成り立っています。その役割分担が崩れてしまうことで、あらゆる面で現状を維持することが非常に困難になってきます。

これは夫婦共働きの場合も同様で、母親の収入が無くなったうえ、男手ひとつで子育てと家事・仕事を両立させ、学資保険も払い続けていくということは並大抵のことではありません。これらの場合、もし母親を契約者としていれば、学資保険の保険料の払込はなくなります。その分を必要な家事代行サービスにまわすこともできますし、学資保険が保障型であれば、育英年金という保障を受け取り、その金額をまわすこともできます。

つまり、どちらの収入が高いかという観点以上に、一家の大黒柱である父親に万が一があった場合の保障と、母親に万が一があった場合の保障を検討した上で、どちらを契約者として考えるかということが重要です。

この点はそれぞれのご家庭で、しっかりと話し合って決めていただきたいと思います。

第二章 万一離婚した場合の契約はどうなるの? h2


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夫婦でどちらが契約者になるか、いろいろ悩んで加入した学資保険も約18年に渡り支払いが続いていきます。そうした長い期間の途中、今や3組に1組が離婚すると言われている時代、万が一にも離婚するという可能性もゼロではありません。

しかし、離婚した場合学資保険の契約はどうなってしまうのでしょうか。この章では離婚した場合、保険契約で注意しなければいけない点についてご説明いたします。

■(注意点1)学資保険は財産分与の対象になる! h3

まず、両親が離婚した場合の学資保険の扱いについて見ていきましょう。

学資保険は被保険者がお子さまに設定されている、お子さまのための保険です。そのためお子さまの固有財産だと認識しているご夫婦は多いです。

(実際、入学祝いやお年玉を預金にしていた場合は、お子さま固有の財産となります。)

しかし、学資保険は保険を掛けられている対象はお子さまですが、家計の余剰金を保険料として支払っているのが親であるため、夫婦の共有財産として財産分与の対象となります。これはご夫婦どちらの名義でも関係ありません。

<学資保険を財産分与する方法>

仮に財産分与の対象とする場合は、学資保険を解約しその解約返戻金受け取り、夫婦で分配するというとになります。

しかし、途中で解約した場合には、これまで積み立ててきた保険料の総額に対し、解約返戻金は大幅に減額となり、加入期間によってはほとんど戻ってこない場合もあります。

何より、お子さまの将来のために掛けている保険ですので、なるべく継続していただきたいと思っています。

(代わりに、財産分与時点の解約返戻金を保険会社に確認し、その額を財産分与とする方法をとる弁護士や、ご家庭もあるようです)

■(注意点2)保険契約者はお子さまの親権者に変更しよう! h3

離婚には様々な理由があります。円満離婚もあれば、親権のもつれから協議離婚や裁判になるようなケースまで、いずれもお互いに少なからずエネルギーを費やすものです。ただし、それだけのエネルギーを費やして離婚した場合にも、学資保険の名義が自動的に親権者に変更されることはありません。気付かず後から大変なことになる前に、しっかりと話し合うことが大切です。

<離婚する前に学資保険をどうするのかきっちりと話し合おう>

離婚する前に、学資保険についてどうするかについては、過不足なく話し合う必要があります。

なぜならは、学資保険の受取人はお子さまではなく、契約者になるからです!離婚した際に親権者じゃない方が契約者のままでいた場合、満期時の保険金はその契約者の口座に振り込まれることになります。

例えば離婚理由がその「お金の浪費癖」などお金にかかわるものであった場合、まとまった大金が入る満期金を見て、かわいい我が子のためよりも、自身の金銭的欲求が勝り、横取りされてしまうというトラブルも決して少なくありません。

もしくは、途中で勝手に解約してしまうということも起こり得るため、離婚時にきちんと取り決めをしておく必要があります。

<離婚する前に契約者の名義変更をしよう>

保険というものは、その全ての権限を契約者が握っています。これはたとえ契約者ではない方の配偶者が保険証券を持っていても、契約者の権利には到底及びません。

勝手に解約する権利も、保険金を受け取る権利も全て契約者にあります。

そのため、離婚が決まり親権者も確定したら、必ず親権者に保険契約者を変更するようにしてください。

多くの場合、最初は父親(夫)名義で加入していると思いますが、親権は母親(妻)になることがほとんどです。こういった場合は必ず母親(妻)に保険契約者を変更するようにしてください。

離婚時には円満で、契約者である父親(夫)が、子どもの学資は自分で払いたいと言ってくれるような場合も同様です。離婚する時期にもよりますが、長い期間保険料の支払いが発生します。離婚時には自分が支払うと考えていても、その後気が変わることもありますし、再婚等の環境の変化によって支払いが困難になることも十分ありえます。

そのため、契約者は親権者である母親(妻)に変更し、それでも父親(夫)に支払う意思があるのであれば、その口座に毎月振込みをしてもらう等の対応が良いのではないかと思います。

第3章 名義変更の方法について h2


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■契約者変更は大変!本来は「原則としてできない」契約者変更 h3

契約されている保険会社によっても契約変更の方法は異なりますが、どの保険会社も契約者の名義変更は原則認めていません。しかし、離婚などのやむを得ない特別な理由がある場合にのみ可能としています。

<名義変更する場合の必要種類について>

とはいえ、たとえ特別な理由があったとしても、簡単には名義変更できません。

必要な書類としては以下のようなものがあります。

【必要書類】

 ・保険証券

 ・戸籍謄本

 ・身分証明書

 ・印鑑

 ・新名義人の口座情報

 ・学資保険任意継承申込書

保険会社によっては、新契約者の書類だけでなく、旧契約者の署名・捺印済の学資保険任意継承申込書が必要となるところもあります。二人で保険会社の窓口に行くのがベストですが、新名義人が一人で窓口に行った場合は、確認のために旧契約者に電話連絡が行くようになっているようです。旧契約者が納得してくれている場合は手続きがスムーズに進みますが、納得していない場合は手続きができない場合もありえます。

中には頑なに名義変更に応じないケースもあり、そういった場合は現在の学資保険を解約して新たに入り直すことを勧められる場合もあります。ただし、途中解約した場合はここまでに支払ってきた保険料の総額よりも、解約して戻ってくる解約返戻金の方が少なくなってしまうため、可能な限り名義変更で進めていけるようにしましょう。

<受取人変更における注意点>

通常は、契約者を父親から母親に変更する場合、受取人も同様に変更するのが一般的ですが、受取時期にはお子さまも18歳になっているので、お子さまの自立や金銭トレーニングの一環で、受取人をお子さまにすることを検討されるご家庭もあるかと思います。

教育の一環としてはとても素晴らしいことですが、受取時にかかる税金の面から、一度よく考えていただきたいと思います。

通常、契約者と受取人が同じ場合には満期時に受け取った保険金は「所得税」の対象となります。しかし所得税は受け取った満期金額から、過去支払った保険料の総額を引き、そこからさらに50万円分の控除があるため、よほど高額の保険金を受取るプランに加入しているのでなければ、現在の返戻率ではほとんどの方が所得税の対象になりません。

一方、お子さまを受取人とした場合は所得税ではなく「贈与税」の対象となります。

贈与税の場合は受け取った満期金額から110万円の基礎控除しか引くことができないので、それ以上の金額については課税対象となってしまいます。満期金額を300万円や500万円で設定している場合、その大半が課税対象となり、せっかく積み立てた教育資金の一部を税金として収めなければいけなくなってしまいます。

そのため、受取人についてはよほどの理由がない限りは契約者と揃えておいた方がいいのではないでしょうか。

第4章 まとめ h2


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今回ご紹介したことをまとめると、以下のようになります。

<契約者は父親と母親、どっちがいいか>

・父親か母親かではなく、どちらが家計にとってより収入があるのかから考える

・合わせて、父親と母親の現在の保障を加味し、学資保険に付帯する保障をどちらに

 補うのかいいのかをしっかりと検討する。

・専業主婦の場合、母親への保障が手薄になりがちなことに反し、母親に万が一の

 ことがあると、家計にも大きなダメージになりえる。

<離婚した場合にどうするか>

・学資保険は財産分与の対象になる。(ただしなるべく解約しないようにすべき)

・通常は父親=保険契約者であることが多いが、離婚時は母親が親権者になることが

 多いため、契約者は母親に名義変更する必要がある。

<名義変更の方法について>

・名義変更は原則できないが、離婚のようなやむを得ない場合に限り可能。

・その際旧契約者に書類を書いてもらう場合もあるため、離婚時には学資保険をどう

 するか夫婦でしっかりと話し合う必要がある。

・受取人をお子さまに変更することもできるが、税金を考慮し、契約者=受取人に設定

 しておいた方が良い。

次回は一時払いと全期前納など、月々や年払いだけでない保険料の支払いの仕方について、それぞれの特徴と、どちらかおトクなのかについてご説明していきます。

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