学資保険に付帯する「子どもの保障」って実際必要?

ざっくり言うと・・・

  • 学資保険には各種保障を付帯させることができるが、 (例:「医療保障」「子供の起こしたトラブルの補償」など) こちらをつけることは一部の方を除きオススメしない。
医療保険特約
多くの学資保険には、お子さまが入院や手術をした場合に、
入院給付金と手術給付金を受け取ることができる「医療保険特約」があるが
一部を除きオススメしない
┗子供は意外と入院しない(外来は多いが、入院は20歳以上の方が多い)
┗各市町村で医療助成費制度が充実してきている(中学まで医療費負担なしなど)
個人賠償責任保険特約
上記と同様に学資保険に付帯させることができる「子供の起こしたトラブルの補償」
等の特約をつけることができるが、こちらもオススメしない
┗他人や他人のものを傷つけた場合は想像以上の高額となる場合があるため、特約で賄う事が難しい
→「個人賠償責任保険」へ別途加入することがおすすめ
→単体で加入することは出来ないため、自動車保険の特約等で付帯させるのが
得策

学資保険を検討していると、学資資金を積み立てることに専念する「貯蓄型」にすべきか、保障が充実した「保障型」にするかで悩まれる方も多いのではないでしょうか。

当サイトでは(『学資保険って本当に必要?商品概要とその意義について』)等で繰り返し「貯蓄型」をオススメしてきていますが、やはり実際の加入時にはご自身のお子さまのことだけに悩まれてしまうことが多いようです。

学資保険を検討されているお子さまの年齢で一番多い0〜4歳というのは、男女問わず、ちょっとした発熱を始め、病気や予期せぬケガも多い時期です。

そういう状況を見ていると、医療保障とかは付けておくべきなのではと思っていますのは当然と言えます。

しかし、実際のところ本当にお子さまに保障は必要なのでしょうか。今回は学資保険を考える際に合わせて考えたい、お子さまの保障についてご説明いたします。

学資保険に付帯する「子どもの医療保障」って必要?

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多くの学資保険には、お子さまが入院や手術をした場合に、入院給付金と手術給付金を受け取ることができる「医療保険特約」という特約を付けることができます。

費用面はもちろん、大切な我が子の不測の事態に対し、親としてしっかりと備えておいてあげたいというのは、どこのご家庭でも共通の想いだと思います。そのため、学資保険に付けられるなら、と検討されている方も多いと思いますが、ちょっと待って下さい!その保障本当に必要なのでしょうか?

「大切な子どもに何かあったら大変だから」と決めてしまう前に、この特約が本当に必要なのかどうか、以下で一緒に考えてみましょう!

子どもに医療保障が必要な場合とは

以下順を追ってご説明していきますが、結論から申し上げると、基本的にお子さまに医療保障は必要ないのではないかと思われます。中学校を卒業した年齢からは制度の兼ね合いからも、検討の余地はありますが、少なくとも学資保険に付帯するという形では必要はないと言えます。

ただし、以下の場合については、逆に医療保障への加入を検討された方がいいと考えます。

  • お子さまの医療費助成制度が少ない(もしくは無い)地域にお住まいの場合
  • 出産前からお子さまの先天的な病気が懸念される場合
  • 病院通いが多かったお子さまで、医療費助成制度が終了する年齢になった場合

これらに該当する場合は、医療費が大きく負担になることが予想されるため、その対策は必要だと思います。しかし、それ以外の場合多くの方にとって、よほど備えなければいけない理由がない限りは、必要はないのではないでしょうか。

以下その理由を見ていきましょう。

子どもに医療保障が必要ない理由

上記のような特別な事情がない場合、通常子どもに医療保障が必要ない理由として、以下2点が考えらます。

不要な理由その1:子どもは意外と入院しないから

以下、厚生労働省が発表しているデータで、年齢別に治療を受けた受療率となります。

見方としては、各項目ともに各年齢で10万人あたり何人が対象となっているのかを示しているものになります。


年度 平成23年度 平成26年度
年齢階級(歳) 入院 外来 入院 外来
総数 1,036 7,193 1,038 5,696
0~4 175 7,009 170 6,778
5~9 103 4,692 92 4,422
10~14 98 2,916 92 2,649
15~19 125 2,017 117 1,937
20~24 186 2,260 165 2,240
25~29 254 2,708 241 2,716
30~34 304 3,026 296 3,086
35~39 313 3,187 304 3,280
40~44 347 3,397 330 3,382
45~49 347 3,397 330 3,382
50~54 619 4,585 591 4,664
55~59 854 5,421 772 5,361
60~64 1,135 6,786 1,0641 6,514
65~69 1,445 8,802 1,350 8,309
70~74 2,007 11,617 1,820 10,778
75~79 2,927 13,363 2,635 12,397
80~84 4,314 13,457 3,879 12,606
85~89 6,170 11,809 5,578 11,373
90~ 9,773 9,322 8,412 9,074

※出典:「平成26年の患者調査(厚生労働省)」内「性・年齢別階級別にみた受療率」より抜粋

これを見ていただくと、9歳頃まで病院に通院する「外来」は多いものの、入院はむしろ、成人するまでよりも20歳以上の各年齢の方が多いということがわかります。

ここから、対象とされるお子さまの年齢であれば、通院は多いものの、入院が少ないことから、学資保険の医療特約でカバーする範囲としては不要だと言えます。

不要な理由その2:各市町村で医療助成費制度が充実してきているため

以下、首都圏を中心とした自治体の子ども医療費助成制度についてです。東京都の千代田区・北区が18歳まで医療費自己負担無料と、飛び抜けて充実した制度となっていますが、いずれも多くが中学校卒業まで医療費の自己負担がかからないようになっています。現在対象年齢の引き上げを検討している自治体も増えているなど、お子さまの医療費は実質ほぼかからない環境になっていていると言えます。


各自治体小児医療センター費助成制度一覧(一部)
自治体 年齢 所得制限 自己負担
千代田区・北区 18歳まで(高卒相当) なし なし
それ以外の東京23区 中学卒 なし なし
横浜市(神奈川) 小1 1歳以上 なし
川崎市(神奈川) 小1 1歳以上 なし
さいたま市(埼玉) 中学卒 なし なし
千葉市(千葉) 小3 なし あり
土浦市(茨城) 中学卒 なし あり
大阪市(大阪) 中学卒 3歳以上 あり
堺市(大阪) 中学卒 なし あり
京都市(京都) 小学卒 なし あり
奈良市(奈良) 小学卒 なし あり

ただし、表でもご欄いただける通り、横浜市や川崎市、千葉市にお住まいの方の場合はお子さまの医療費助成の期間が短いという懸念はあります。こういった地区にお住まいの方の場合は、後ほどご説明する通り別途共済保険や、医療保険でお子さまの保障を補填していただくことを検討する余地はあるかと思います。

しかし、小学生に入ると幼稚園までのように、熱が出たからすぐ病院へ、という機会は案外少ないもので、ちょっとしたことでは病院に行かないご家庭が多いようです。

そのため、助成期間が短いから必ず医療保障に加入した方がいいということではなく、周囲の方の状況を伺ったりしながら、別途加入するかどうかを検討していただきたいと思います。

子どもが死亡した場合、学資保険はどうなるの?

ここまで、対象となるお子さまの年齢では入院が比較的少なく、学資保険の医療特約の対象になりにくいことと、各自治体の医療助成制度の充実化について見てきました。

そのため、特別の事情を除いては学資保険の特約として医療保障を付ける必要はないということをお伝えしてきました。その延長線の話として、よくお子さまが亡くなった場合の保障についても検討した方がいいのかというご質問をいただくことがあります。

確かに、助成制度などで医療負担は軽減されるとしても、仮に亡くなった場合は葬式含めちゃんとしてあげたいから、せめてその費用の準備をと考えられるご家庭は、意外に多いように感じます。

確かにお葬式の全国的な相場は約120万円。通夜式・告別式をすると安い会社でも約50万円と、当然まとまった金額にはなってきます。

しかし、結論から申し上げるとお子さまの死亡保障は学資保険に加入している場合、別段加入する必要はありません。

学資保険に加入している被保険者(お子さま)が亡くなった場合

学資保険には医療保障のような特約の形で、被保険者であるお子さまが亡くなった場合の保障を用意しているわけではありません。(死亡保障については、契約者である親の死亡においてのみです。)

では、学資保険に加入している被保険者(お子さま)が不運にも亡くなってしまった場合にこの保険がどうなるかと言うと、多くの保険会社の規定では、「既払込保険料相当額が支払われる」と明記されています。

これは読んで字のごとく、これまでに既に支払った保険料の総額を返してくれるということです。

仮に18歳払込で300万円満期に受け取れる学資保険にお子さまが0歳から加入していた場合、お子さまが6歳時点で100万円、9歳時点で150万円ぐらいの保険料を支払っていることになります。お子さまの亡くなる時点によっても変わりますが、必要な葬儀のお金はこのお金を遣ってもいいですし、生活費としてかかる費用が無くなるわけなので、それを使うこともできるわけです。

そのため、「葬儀費用ぐらいは用意したい」という名目で必要だとお考えであれば、お子さまに別途死亡保障をかける必要は無いのではないかと思われます。

それでもお子さまの保障が気になる場合

上記を踏まえ、お子さまの保障については不要だと理解したけど、それでもやっぱり備えておきたい!という方は、学資保険とは別に以下がオススメです。

共済保険への加入

種類としては「(お住いの住所の)都道府県民共済」、「co-op共済」、「全労済」などいくつかありますが、どれもお子さま用は月額1,000円という手頃な掛け金で、入院・死亡保障まで充実した保険に加入することができます。数年前までは入院は5日以上といった日数制限があったり、病気での通院は対象外だったりと、最近の診療事情に合致しないものも多かったのですが、最近は入院1日目から、病気通院も対象になるものがほぼスタンダードになっています。

また共済は毎年の決済時に余剰金が出た場合は、加入者に掛け金が還元される仕組みになっており、実質は1,000円よりも安い掛け金で加入できている年も多いようです。

お子さまがある程度の年齢になるまでの安心として掛ける場合は、非常に賢い選択だと言えます。

終身医療保険への加入

基本は上記の共済保険で十二分に役割を果たすことができますが、共済保険の場合、

  • 掛け金(保険料)が掛け捨てであること
  • 一定の年齢(18歳以降から段階的に)毎に掛け金が上がっていく

というデメリットもあります。

せっかく月々支払うものなので、掛け捨ては嫌だというご家庭の場合は、終身医療保険がオススメです。0歳や1歳頃の加入であれば共済保険とほぼ差のない保険料で加入することができ、払込もお子さまの18歳や20歳等で終わらせることができます。

社会人になると、10代以上に入院・通院のリスクが上がりますが、社会人になりたての頃は医療保険に加入する余裕はありません。そのため、社会人になるお子さまにそのままバトンタッチしてあげることで、将来の医療保障に備えてあげるということが可能です。これらは学資保険に付帯する形ではなく、別に保障を取る場合の参考としていただければと思います。

学資保険に付帯する「子供の起こしたトラブルの補償」って必要?

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ここまでは、学資保険にお子さまの医療保障を付けることが不要であること、仮に必要であれば別途共済保険や医療保険に加入した方がいい点について、ご説明してきました。

死亡保障についても、葬儀代が名目であるのであれば不要というお話をさせていただきました。

一方で、学資保険に付帯させることのできるサービスとして、最近特に話題に上がることが多い「子供が起こした他人や、他人の持ち物に対する補償」はどのように考えればいいのでしょうか?結論から申し上げますと、「学資保険に付けなくてもいいが、この補償ができる保険には必ず入ったほうが良い!」ということです。

医療補償同様、学資保険に特約として付けてしまうと、学資保険本来の貯蓄効率が下がってしまうのでオススメできませんが、補償としては別の保険等で必ずカバーするようにしておいてください。なぜなら入院・通院等は自治体の助成金も使えますが、他人や他人の物を傷つけた時は、その補償がないだけでなく、想像以上に高額の賠償責任になりえます。

この章では、個人賠償責任保険(特約)についてお話いたします。

個人賠償責任保険とは

個人賠償責任保険とは、個人またはその家族が他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまった際に、その損害を補償してくれる保険です。

補償してくれる範囲は、その損害賠償金だけに限らず、解決のために仲介してくれた弁護士費用なども含まれます。

補償される事故の一例

  • 誤ってお店の商品を落として壊してしまった。
  • ケンカをして、相手の子供にケガを追わせてしまった
  • 友達とふざけて石の投げ合いをしていたら、駐車場に停めてあった他人のクルマに傷を付けてしまった。
  • 自転車で走行中、歩行者にぶつかり、ケガをさせてしまった。(もしくは死亡させてしまった。)

いずれも、自分のお子さまも対象になってしまう可能性があるものです。確かに、日常的に起こり得るものではありますが、なぜこの補償が必要なのでしょうか。

実は、そこには近年非常に注目を集めるようになった判決があるからなんです。

兵庫県が自転車保険を義務化するきっかけとなった判例

この保険が注目された事例として、2013年7月の神戸地裁の判決にて、その4年前に当時62歳の女性に自転車で衝突し、意識不明の重体を追わせた当時小学5年生だった少年の母親に、少年の監督義務違反として9,500万円という高額賠償の支払命令を出しました。なお、判決時点で女性の意識は戻っておらず、4年以上寝たきりの状態が続いています。

9,500万円とはあまりに高額に見えますが、この内訳として

  1. 将来の介護費用として約3,940万円
  2. 事故によって得ることのできなくなった逸失利益約2,190万円
  3. ケガの後遺症に対する慰謝料2,800万円

とされています。内訳として考えると非常に現実的な金額なのではないでしょうか。

この判例をきっかけに、兵庫県では平成27年10月より自転車保険の加入を義務付ける条例が制定されることとなりました。しかし、全国的にはまだまだこういった事例が浸透しきっておらず、特に若年層による自転車事故で高額賠償になる判例は決して少なくありません。中には高額賠償の支払いができず、自己破産しているケースも散見されます。

そして、それは決して他人事ではなく、ご自身のお子さまが加害者となってしまうことは十分にありえるのです。

そのため、「お子さまの保障」を考える際は、一般的に言われている医療や死亡に対して以上に、この「他人に対する補償」についてのものについて真剣に考えていただきたいと思います。ひいてはそれがご家庭を守る「保険」になることはもちろん、お子さまの未来を守ることにも直結します。

一見学資の話とは無関係のように見えますが、学資資金について考えることは、お子さまの未来を考えることと同義です。そのため、こういった備えは決して疎かにしてはいけません。

どうやったら加入できるのか?

個人賠償責任保険は、それ単体で販売している商品ではなく、学資保険や傷害保険などの特約として加入するものとなります。

中でも最近は自動車保険でもこの特約の付帯に力を入れているようですので、クルマを所有されている方は自動車保険の特約として加入するのもいいかと思います。

個人賠償責任保険は、対象となる人の範囲が広い事が特徴であり、例えば自動車保険の特約として付帯していれば、その保険の契約者はもちろん、配偶者、同居している親族やお子さままでが家族を広くカバーしてくれます。

月々の保険料としては100〜200円程度で付帯することができますので、こちらはご自宅でご加入されている自動車保険や火災保険、別途傷害保険なども考慮しながら、是非ご加入を検討していただくと、お子さまだけでなくご家族全体で非常に安心な保障と言えます。

まとめ

https://www.pexels.com/photo/boy-playing-with-fall-leaves-outdoors-36965/

いかがでしたでしょうか?今回は直接学資保険のお話ではなく、その特約についてどう考えればいいのか、また本当に必要な保障(補償)とは何かということについてお伝えしてきました。まとめると以下の通りとなります。

  • 学資保険を検討されているお子さまの年齢では、通院は多いが案外入院は少ない。また、医療助成制度が充実した自治体が多いことから、多くは学卒業まで医療費負担がない。
  • お子さまの死亡保障は特に考えなくてよく、学資保険に加入している場合でお子さまが亡くなった場合は、それまで払い込んだ保険料相当額が返ってくる。
  • 学資保険はその目的から、「貯蓄型」にしておく方が良く特約として医療保障を付けることは一部の方を除きオススメしない。医療保障が必要な場合は、別途共済保険や医療保険を検討した方が良い。
  • お子さま本人への保障以上に、他人や他人の物についての補償は、賠償額が貯蓄ではカバーできないほどの高額になりえるため、個人賠償保険に加入しておいた方が良い。
  • 以上、学資保険の特約としても付帯できる保障についてお伝えしてきました。

次回は、学資保険の保険料が払えなくなった時の対処法についてご紹介いたします。

保険料が払えなくなった!解約する前にできること

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