今かけている学資保険、元本割れしているとわかったら? 

ざっくり言うと・・・

  • 学資保険には契約者が亡くなった時に受け取れる育英年金や医療保障を付帯するものがありますが、そういった保障は学資保険とは別のもので賄ったほうがよい(と当サイトは考えております)
  • 上記のような保障を付帯がほぼ確実に元本割れの要因となっている
    (勿論、目的に沿っていれば元本割れが悪いというわけではない)
  • 見直しの結果によっては学資保険の乗り換えを検討する必要がある。乗り換え方法には「払済保険」と「解約して一時払い終身」に加入するという2つの方法がある。

ここ数年、学資保険の運用予定利率が下がってきているというニュースを、メディア上で目にする機会が増えてきました。確かに以前から「貯蓄型」ではなく「保障型」として特約を多く付けたことで、元本割れしてしまう場合もありました。

しかし、2017年4月現在の金利の見直しによって、「貯蓄型」でも将来的に受け取れる満期金の返戻率(へんれいりつ)が支払った保険料とほぼ同額ぐらいの商品が散見されるようになってきています。

保険会社各社は、保険料や満期金の額がシミュレーションできるホームページを用意している会社も多いです。そこで試算するか、保険会社や保険代理店の営業担当者から見積書ももらう際に、返戻率が100%を割り込むものには初めから加入しないということが可能です。しかし、既に加入しているもので、加入時によくわからず加入しているものなどは要注意です!

一度自己診断をした上で、今後元本割れしてしまうことが確実であれば、早急に見直す必要があります。
今回は、そんな元本割れした場合への対処の仕方についてご紹介いたします。

あなたは損していませんか?簡単なチェック方法

日本人はとにかく「保険」というものが大好きです。平成28年度の生命保険文化センター「生活保障に関する調査」によると、男性で80.6%、女性で81.3%の方が保険に加入しているという結果が出ています。

それだけに日本人にとって、保険という概念も馴染みやすく、安全策を講じることをまさに「保険をかける」というほど、保険はとても身近なものです。

しかし本当に不思議なことに、これだけの方が保険に加入しているにもかかわらず、ご自身がどういう保険に加入し、月々いくら払い、満期や死亡時にいくらもらえるのかということをきちんと理解している方は非常に少ないように思います。

むしろ、これだけ身近だからこそ「保険=安心」と考え、保険については無頓着な方が多いのではないでしょうか。その証拠に、皆様は毎月ご自身の給与から社会保険(健康保険や雇用保険など)としていくら差し引かれているかご存知ですか?

給与所得者の方は特に把握されていらっしゃらない方が多いのではないでしょうか。

学資保険も同様です。一度加入したら「とにかく毎月保険料を支払う義務を全うしなければ」ということは考えても、「ところで自分はどんな保険に入っているのか?」と考える方は少ないのではないでしょうか。

まずは、ご自身がどういう保険に加入しているのかを知るところから始めましょう!

自己チェックしてみよう

用意するものは以下2点のみです。(実際に書きたい方は紙とペンも追加してください)

  • 加入している学資保険の保険証書
  • 電卓

保険証書で確認するところ

確認する項目は、いくつかありますが主には以下3点だけあれば計算できます。

  • 月々(もしくは年)の保険料額
  • お子さまの加入年齢と、払込期日(0歳時加入で18歳払込なら、18年間)
  • 満期時に受け取る金額(一括で受け取るものはその金額、高校入学時などのお祝い金があるものについてはそれら全ての合計)

実際に計算してみましょう!

保険証書を確認したところ、例えば、お子さまが0歳の時に加入、18歳払込の保険で、月々の保険料は12,300円。
お祝い金含めた満期金は、6歳で20万円、12歳で30万円、15歳で50万円、18歳満期で150万円の計250万円受け取れる保険だったとします。

満期で受け取れる金額については、保険証券の中に「小学校入学時20万円」のような表記で書かれていますので、それらの金額を合計して、上記のように「250万受け取れる」ということを確認しておいてください。

あとは、電卓をたたくのみです。

 12,300円(月々の保険料) × 12ヶ月 × 18年 = 2,656,800円

そして、満期の合計250万円と比較すると・・・、支払っている方が15万円も多いということがわかります。
チェック方法はまさにこれだけなのですが、この計算をしていらっしゃらない方が多いように思います。

なぜ元本割れするのか?

例えば契約者が亡くなった時に受け取ることができる育英年金や、医療保障を付けているもの。これはほぼ間違いなく元本割れしてしまいます。

ただし、近年まで学資保険といえば、こういった保障が付いたものが一般的だったため、いわゆる運用利率が高かった時代のものでも、元本割れしているものは決して珍しくありません。

そのため、平成一桁代のような予定利率の高い時代のものを、学資保険としていまだに保有されている方はほとんどいらっしゃらないでしょうが、加入時期には関係なく、必ず自己チェックするようにしてください。

今かけている学資保険、元本割れしているとわかったら?


では、自己チェックをしていただいて、どうやらご自身が加入されている学資保険が元本割れしてしまっているとわかったら、どうすればいいのでしょうか。

以下、乗り換え方法についてご紹介したいと思います。

目的に沿っていれば元本割れ=悪いこととは限らない

その前に、「元本割れ」は良くないという論調でご説明してきましたが、その目的によっては必ずしも元本割れ=悪いことではありません。

例えば当サイトでは一貫して、学資保険は「保障型」ではなく「貯蓄型」をオススメしています。それは、学資保険の目的がお子さまの学資資金を残すことだからであり、保障も考えるのであれば、終身保険で代用した方がいいと考えるためです。(詳しくは『終身保険で学資保険を代用するという考え方』をご覧ください)

しかし、同様の考え方で契約者の保障をとるために「保障型」の学資保険に加入していた場合、結果として元本割れしているものの、その目的には沿っているはずです。

例えば、契約者(親)が保障についても考えており、学資保険として毎月2万円、親の保険として毎月1万円払っており、合計3万円を保険に費やしていたとします。

ただ、これを学資保険で同じぐらいの保障がとれる「保障型」を外交員に勧めてもらったら、月々2万7千円で加入できることがわかり、学資保険の「保障型」にしたという場合もあります。

この場合の学資保険は目的には沿っていますし、支払ったお金が無くなるわけではなく、保障の部分の保険料として充当されているだけですので、他の保険に加入していたことを考えると、むしろ安くすんでいると言えます。

そのため、もし既に加入している学資保険に元々保障も求めている場合は、もしかして乗り換えない方がいい場合もありますので、加入した時の目的を再確認するようにしてください。

ただし、学資保険に付加している保障はあくまで主契約である学資保険が機能している時期だけの保障になりますので、この保険に付加することで「これで保障がとれている:と考えるのは非常に危険です。各ご家庭により考え方は大きく変わってくるでしょうが、

当サイトとしては、保障は学資保険とは別にとっておいた方がいいと考えています。

最近の保険は基本、元本割れしない!

一方、最近販売されている学資保険で、「人気ランキング」に入ってくるようなものは元本割れしないものがほとんどです。

最近の学資保険は保険としての保障機能を可能な限り削ぎ落としているからです。

保障を付けないため、月々の保険料も安くなり、結果として返戻率も110%から、なかには120%程度のものまで、返戻率をウリに人気を得ています。

しかし、保障をそぎ落とし、返戻率だけ追求しているのであればそれは「貯金」商品です。

返戻率を追求するのあれば正直、終身保険の方が返戻率も高く保障内容も充実しているので
学資保険である必要もないのではというのが当サイトの見解でもありますが・・・

学資保険を見直す際には必ず契約者の保障や、その他の医療保障なども考慮していただいた上で、見直しプランを検討いただきたいと思います。

学資保険を乗り換える方法


ここまでの点を踏まえた上で、やはり元本割れしている現在の学資保険を乗り換えたいという場合、方法は大きく2種類あります。

以下、一つずつご紹介していきます。

方法①:払済保険に移行

払済保険とは、保険料の払込期間の途中で、その後の支払いをストップし、そこまでに支払った保険料の解約返戻金の金額を保障額として利用する保険に変更することを言います。保障額は減る反面、以後の保険料を払うことなく、保険を継続することができます。

(詳しくは『保険料が払えなくなった!解約する前にできること』をご覧ください)

メリット

払済保険に移行するメリットは以下3点です。

  1. 払済保険に移行後、保険料がかからない
  2. 保険を継続することができる
  3. 解約返戻金は増えていく

メリットとしては、保障は少なくなるものの、以後の保険料を支払う必要がなくなります。また、払済保険に移行することで、「保険料を全て払った状態」になるため、終身保険同様その後は解約返戻金が増えていくこととなり、運用期間が長くなればなるほど、解約返戻金も増えていきます。

デメリット

一方デメリットとしては以下2点になります。

  1. 保障額が下がる
  2. 一度払済保険に移行すると、元に戻せない

デメリットとしては、払済保険にするとその後の保険料の支払いは不要ですが、その分保障額は少なくなります。

学資保険は比較的解約返戻金が高めですが、途中解約返戻金が低めに設定された保険(例:低解約返戻金型終身保険)に加入している場合は、それまでの支払った保険料総額が解約返戻金を上回る可能性があるのでご注意ください。

メリット・デメリットを踏まえ

お子さまの年齢によっても大きく異なりますが、学資資金が必要な目標年齢に対し、10年のような短期払をしても準備ができる年齢であった場合は、払済保険への移行は有効です。

それまで支払っていた月々(もしくは年)の保険料が無くなりますが、払済保険に移行した分ではそんなに大きな保障や学資資金を確保することができません。そのため今まで支払っていた保険料を別の保険としてかけ直し、そこに払済保険の分を追加して考えるということになります。

ただし、新たに入る保険の支払期間は、最初に加入していた保険よりも短くなってしまうため、ある程度の金額を準備しようと考えると、その分月々や年での保険料は高くなってしまうという問題はあります。

方法②:解約して一時払い終身に入り直す

もう一つの方法は、現在の保険を解約して、その解約返戻金(かいやくへんれいきん)を元手に一時払い終身保険に入り直すという方法です。

乗り換え手順と計算方法

乗り換え手順

手順としては以下の通りです。

  1. 加入している保険の保険会社に、現時点で解約した場合の解約返戻金の金額を確認する。
  2. 新たに加入する一時払い終身の返戻率等の条件を確認する。
  3. 上記の一時払い終身の条件が問題ないようであれば、現在加入している保険を解約し、一時払い終身保険に加入する

という流れになります。

計算方法

では、第一章でも例にあげたケースを使い、この手順についてご説明いたします。

保険の内容は、お子さまが0歳の時に加入、18歳払込の保険で、月々の保険料は12,300円でした。受け取れる金額はお祝い金・満期金額含め、計250万円です。

仮にお子さまが8歳の時に自己チェックをしてみたところ、このままでは元本割れするということがわかったとします。その式は再度記載すると、

 12,300円 × 12ヶ月 × 18年 = 2,656,800円 ・・・①

お祝い金・満期金額から①を引くと、

 2,656,800円 – 2,500,000 = 156,800円 ・・・②

つまり、このまま10年間払い続けていくと、これから支払い保険料の合計額が、受け取れる金額の合計よりも156,800円下回ってしまうということがわかりました。

では、手順の1)によって、現時点の解約返戻金について保険会社に確認する必要があります。この解約返戻金は保険会社や商品、そして加入期間によっても全く異なりますが、目安としてはだいたい86%〜90%ぐらいをみておくと大きなズレはないと思われます。数年前に94%の返戻率のものもありましたが、この場合はあくまでラッキー程度で考えていただけければと思います。

では、8歳まで支払った保険料総額は、

 12,300円 × 12ヶ月 × 8年 = 1,180,800円 ・・・③

この時点で解約した返戻率が86%だったとすると、

 1,180,800円 × 86% = 1,015,488円 ・・・④

ここから、8歳までに支払った保険料と、解約したことでマイナスになった分の差額は

 ③−④ = 1,180,800円 – 1,015,488円 = 165,312円・・・⑤

となっており、この⑤と②を比較すると、今解約した方がマイナスになってしまうため、この解約返戻金(返戻率)であれば、解約しない方がいいという判断になります。

(そのため、解約返戻金を確認したら必ずこの計算をしてください!)

これが、仮に解約時の返戻率が94%だった場合、上記④の計算は

 1,180,800円 × 94% = 1,109,952円 ・・・④’

となり、③−④’を計算すると

 1,180,800円 – 1,109,952円 = 70,848円 ・・・⑥

となり、⑥と②を比較すると、

「今解約すると、70,848円のマイナス。10年後に解約すると156,800円のマイナスとなり、今解約した方が85,952円マイナスを抑制できる」ことがわかります。つまり、このまま加入し続けるよりも解約した方が良いということがわかります。

とはいえ、この時点ではまだこの保険を解約せず、新たな保険がこのマイナス分を埋められることがわかって初めて解約するようにしてください。

続いては手順2となります。

解約して戻ってきた④’の1,109,952円を使って、加入する一時払い終身保険を選びます。

一時払い終身保険を選択する際、以下の2点に気をつけてください。

  1. 満期の時期と、保険の加入必須期間を確認する
  2. 解約することでマイナスになった⑥の70,848円を超えるものを探す

1は、一時払い終身保険の商品によって、最初の数年間に解約した場合、一括で保険料を入れていても解約返戻金が元本を割れるものや、ドル建てのように加入必須時期が10年のような期間的な縛りがあるものもあります。(もちろん10年以内でも解約は可能ですが、解約返戻金が元本を割ります)そういった条件と、お子さまの学資資金が必要な時期を照らし合わせて、最適な期間で加入できるものを選んでください。

2は、この場合一時払いで保険に加入し、満期で受け取れる額の増加分が70,848円未満であると、トータルとしてはまだ元本割れの状態です。そのため、この金額を確認し、できる限り超えられるものを選ぶようにしましょう。上記全ての確認がとれれば、手順3)で無事一時払い終身保険への乗り換えということになります。

この手順3の注意点として、最初の保険を解約してから新しい保険に加入するまでの期間をなるべく短くするようにしてください。この期間が空いてしまうと、無保障の時期ができてしまうため、その間に何かあると保障がききません。

是非解約返戻金が返金されるタイミングを確認し、それに合わせて新しい保険の加入を行い、解約返戻金が返金されたらすぐに、新しい保険の保険料を振込、保険を開始するようにしてください。

こちらも払済と同様に、今まで支払っていた月々の支払いがなくなりますので、その分を新たに短期払いの保険に加入することで学資資金の準備をすることが可能になります。こちら払済保険と比較して高い保障と解約返戻金を蓄えることができますが、追加で保険に入る場合はやはり短期払となりますので、準備する金額によっては割高になる可能性があります。

以上が、元本割れしてしまった場合の保険の乗り換え方法になります。

まとめ


今回は、加入している学資保険が元本割れしてしまった時のチェック方法と、乗り換え方法についてお伝えいたしました。今回お伝えした内容をまとめると以下の通りです。

  • 今加入している保険について、必ず保険証書を見ながら計算し、自己チェックしよう。
  • 元本割れが全て悪いわけではないが、なるべく学資保険で保障をとるのではなく、保障と貯蓄の両方がとれる終身保険に加入した方が良い
  • 学資保険の乗り換え方法には、「払済保険」と「解約して一時払い終身」に加入するという2つの方法がある。
  • いずれにせよ、保険の乗り換えは専門的知識も必要となりますので、きちんと内容を把握できる方に相談の上、行うようにしてください。

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