満額受け取れないケースも?学資保険にかかる税金について

ざっくり言うと「受け取る人、受け取る方法によって課税の可能性があります」

「え?300万円受け取る学資保険に加入したのに、300万円全額もらえないの?」と驚かれた方も多いと思います。お子さまの大学入学時に受け取れるようにと加入した学資保険や終身保険。なかには定期的にお祝い金をもらえるプランに加入されていると思います。このお祝い金や満期でもらえる満期金には税金がかかるってご存知ですか?

● 本人が受け取る場合
 一時所得として一括 特別控除50万があるので相当高額でないと非課税
年金型(雑所得)として毎年 課税式が異なるので課税対象になりやすい
400万を100万×4の場合は自営業は100万×10%(雑所得)×2×4回の8万円が課税対象
※自営業は無条件に課税対象なので一括で受取ったほうが良い
サラリーマンは20万以上の雑所得となる場合は課税対象
● 他人が受け取る場合
 20歳以上の子や孫へ: 特別贈与 (A)基礎控除後の課税価格 × (B)税率 – (C)速算控除額 = 贈与税額
例)500万の受け取り:48.5万の課税
 それ以外: 一般贈与 (A)基礎控除後の課税価格 × (B)税率 – (C)速算控除額 = 贈与税額
※式は同じだが特別贈与よりも少し高い
例)500万の受け取り:53万の課税
 育英年金 子供が受け取る額によっては扶養を外れてしまう可能性があることに注意する

実はほとんどの人は税金の対象外になりますが、金額や受け取り方によってはかかる場合もありますので、受取時に慌てないよう、受取時にかかる税金について学んでいきましょう!

契約者本人が受け取る場合の税金について

学資保険で、満期金などの保険金を受取る場合、「誰がその保険金を受け取るのか」で税金は大きく変わってきます。

ここでは、契約者である保護者が受け取った場合についてご説明いたします。

満期金を一括で受け取る場合にかかる税金は?

学資保険で一番多いのは、17歳や18歳時に満期を迎え一括で保険金を受取るタイプのものです。その際、200万や300万といった高額のお金を一度に受け取ることになります。この場合にかかる税金は、税法上「一時所得」に分類されます。

一時所得の計算方法を、簡単にご説明すると

「(満期で受け取った金額)−(支払った保険料総額)−50万円(特別控除額)」

で算出した金額となります。

例えば、18歳の満期時に300万受け取り、そこまでに支払った保険料の総額が270万円だとすると、一時所得は

300万円−270万円−50万円= −20万円

となり、マイナスになりますのでこの場合は課税の対象外となります。

実はこの特別控除額の50万円のおかげもあり、現在の運用利率においてこの差額が50万円を超えるものはほとんどなく、対象となるのは支払い総額が500万を超えるような高額な契約のみとなります。

なお、仮に特別控除額の50万円を超えてしまい、一時所得の対象となった場合も、課税の対象となるのはその金額ではなく、その半分の金額となります。そのため、例えば特別控除額の50万円を差し引いて、20万円の一時所得があったとしても、課税対象となるのはその半分である10万円ということになります。
(ただし、ここでは保険単体に絞ってご説明いたしましたが、一時所得は年間で発生した全ての一時所得の合算となります。例えばギャンブル等で高額の所得があった場合は、その金額と合算しての計算となるため、税金の対象になる場合もあります。)

年金型で受け取る場合にかかる税金は?

先ほどの一時所得は、かなり高額な契約においてのみ対象となるため、ほとんどの方が対象になりません。一方で、最近人気が出てきた、大学入学から4年間にわたり、毎年「学資年金」という形で受け取れるタイプのものについては、課税対象になる可能性があります。この場合にかかる税金は、「雑所得」に分類されます。

雑所得の計算方法はちょっと難しいですが、

「雑所得 = (総収入金額)−(必要経費)

という計算になります。総収入金額とは毎年受け取る学資年金の年額を指します。
必要経費というとちょっとわかりにくいですが、

「必要経費 = 学資年金金額 × 払込保険料総額/総支給見込額」

という式に分解することができます。つまり、

「雑所得=(学資年金金額)−(学資年金金額 × 払込保険料総額/総支給見込額)」

になります。

文字で見ると非常にわかりにくいので、以下実際の例をあげてご説明いたします。
例えば、総支給見込額400万円の学資保険を、学資年金として4年間にわたり年間100万円ずつ受け取ったとします。なお、そこまでに払い込んだ保険料の総額は360万円だったとします。この金額を上記の式に当てはめてみると、

100万円−(100万円 × 360万円/400万円)=10万円

という金額が算出されます。雑所得は一時所得と違い特別控除額がありませんので、この10万円が課税対象額となります。
しかし、ここで一つポイントになるのが、この保険の契約者が会社員等の給与所得者か自営業者かということです。
もし給与所得者であれば、給与所得と退職所得以外の雑所得が20万円以内の場合は非課税となるため、この場合は課税対象外となります。
しかし、自営業者の場合はこの雑所得の非課税制度がないため、10万円全額が課税対象になります。

この10万円に対して、課税額がいくらになるのかは収入額によっても変わりますが、例えば10%とした場合1万円。実はこれだけではなく、所得税の対象には住民税も課税されますので、こちらも10%と仮定して、さらに1万円の計2万円を税金として支払わなければなりません。

この2万円は4年間に渡って課税されることになりますので、自営業者の場合は計8万円を税金として支払う必要があるということは、要注意です!!

自営業者は一括受け取りを選択した方がいい!

このことからも、契約者が給与所得者の場合は一括で受け取る場合も、学資年金で受け取る場合も、基本的に課税の対象になる可能性が低いことがわかりますので、どちらのプランでも、ご家庭にあった方を選択していただければと思います。

一方、自営業者の場合は学資年金のプランでは多くの場合課税の対象となり得るので、満期金の受け取りは、一括で受け取る方が適していると言えます。

契約者以外が受け取る場合の税金について

この章では、保険の契約者ではない別の方が保険金を受け取った場合の税金についてお伝えしたいと思います。

この場合、一般的にかかる税金は「贈与税」の対象となりますが、この贈与税の中でも、

  • 20歳以上の子や孫への贈与 → 特例贈与
  • それ以外への贈与 → 一般贈与

と分かれており、それぞれ税金のかかり具合が異なりますので、以下実際の事例を元に、かかる税金額について見ていきましょう。

子どもが満期保険金を受け取った場合(特例贈与)

保険料を支払った人(契約者)と満期保険金を受取る人が異なる場合は、親子や夫婦の間でも「贈与税」の課税対象となります。

ここでは、お子さまが満期保険金を受け取った場合についてご説明します。

保険の契約内容は以下の通りです。

  • 契約者 ;父
  • 被保険者 :父
  • 満期保険金受取人 :子ども(22歳)
  • 満期保険金 : 500万円

<贈与税額の計算方法(特例贈与の場合)>

計算式は以下の通りになります。

満期保険金 – 基礎控除額(110万円) = 課税価格

となります。基礎控除額は、贈与を受けた者1人について年間110万円まで控除される金額です。この式に上の内容を当てはめてみると、

500万円 – 110万円 = 390万円

上記の390万円が、基礎控除後の課税価格となります。この金額に対し、

A)基礎控除後の課税価格 × B)税率 – C)速算控除額 = 贈与税額

という特例贈与のための計算が必要になります。

税率と速算控除額は以下の表となります。

(A) 基礎控除後の課税価格 (B) 税率 (C) 速算控除額
~ 200万円以下 10% 0万円
200万円超 〜 300万円以下 15% 10万円
300万円超 〜 400万円以下
400万円超 〜 600万円以下 20% 30万円
600万円超 〜 1000万円以下 30% 90万円
1000万円超 〜 1500万円以下 40% 190万円
1500万円超 〜 3000万円以下 45% 265万円
3000万円超 〜 4500万円以下 50% 415万円
4500万円超〜 55% 640万円

この表から、A)は390万円となりますので、B)の税率は15%、C)の速算控除額は10万円ということがわかります。これから式にあてはめると、

A)390万円 × B)15% − C)10万円 = 48.5万円

このように、この場合は500万円の満期保険金を受け取った子どもに48.5万円の贈与税が課税されるということがわかります。

妻が満期保険金を受け取った場合(一般贈与)

先ほど、子どもが受け取った保険と全く同じ保険の受取人が妻だった場合についてご説明いたします。

<贈与税額の計算方法(一般贈与の場合)>

基礎控除額の110万円を引き、基礎控除後の課税価格が390万円になるところまでは

先ほどと一緒です。

A)基礎控除後の課税価格 × B)税率 – C)速算控除額 = 贈与税額

贈与税額を計算する式も全く同じですが、税率と速算控除額が以下のものになります。

(A) 基礎控除後の課税価格 (B) 税率 (C) 速算控除額
~ 200万円以下 10% 0万円
200万円超 〜 300万円以下 15% 10万円
300万円超 〜 400万円以下 20% 25万円
400万円超 〜 600万円以下 30% 65万円
600万円超 〜 1000万円以下 40% 125万円
1000万円超 〜 1500万円以下 45% 175万円
1500万円超 〜 3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 〜 4500万円以下 55% 400万円
4500万円超〜


A)390万円 × 20% − 25万円 = 53万円
この表から、B)は20%、C)は25万円となりますので、

となり、妻が受け取った場合は同じ保険でも53万円の贈与税が課税されることになります。このように、受取人を契約者ではない別の方にしてしまうと、非常に大きな税金がかかってしまいます。(今回は、特例贈与・一般贈与ともに、相続時精算課税制度を選択しないケースを例にしております。)

よほど明確な理由がない限りは、受取人は契約者と同一になった方が税金面としてはオススメです。

育英年金は相続税・所得税の対象になる

学資保険と言えば、特約で育英年金を付帯できる商品もあります。育英年金は、契約者である保護者が死亡または高度障害状態になった時に、満期金受け取りまでの期間、年金が給付される保障です。

しかし、これも税金がかかる場合もあるので、ここも注意が必要です。

育英年金は通常受取人は子どもに設定されています。契約者に万一があり、子どもがこの育英年金を受け取った場合、税制上は子どもに収入があると見なされます。この時に問題になるのが、その所得が38万円を超えると、課税所得の対象となり、所得税や住民税を治める必要が出てきてしまいます。

そして、ここからが非常に問題ですが、収入があるということは、親の扶養からはずれてしまい、児童手当や医療手当などの行政サービスを受けられなくなるかもしれないという問題があります。おそらく家計を支えていた契約者が亡くなることで、その生活のカバーをするために加入していた育英年金を受取ることで、逆に税金の対象になったり、行政サービスをうけられなくなるというのは死活問題になります。

育英年金は、付帯することで学資保険そのものの返戻率を下げてしまうということに加え、こういった点からも当サイトでは育英年金は付帯しない方がいいと考えています。仮にこういった死亡保障が必要な場合は、学資保険に付帯するのではなく、別途死亡に備えた保険に加入することをオススメします。

まとめ

今回は保険の受け取り方によって、対象となる税金についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した内容をまとめると、以下の通りです。

  • 一括で受け取る場合は「一時所得」、年金受け取りの場合は「雑所得」になる。
  • 学資保険で一時所得は、ほとんどの場合対象にならない。
  • 給与所得者は一括受取でも年金受取でも課税対象外になることが多いが、自営業者は年金受取では課税対象になる可能性がある。そのため、一括受取がオススメ。
  • 契約者以外が満期金を受け取る場合は贈与税の対象となり、かなり高い税金がかかってくる。
  • 育英年金は税金の対象になる可能性だけでなく、場合によっては扶養からはずれてしまうこともあるので、要注意!

基本的には、契約者が受け取るようにしておけば、多くの場合税金はかかりませんので、よほどの理由がない限りは、受け取りは契約者にしておく方が良いのではないでしょうか。

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