個人年金保険の会社別比較(外資系の特徴)

外貨建ての個人年金保険を会社別に比較

この記事の内容をざっくり言うと・・・

  • 個人年金保険の外貨建て商品取り扱い会社は実はそんなに多くない
  • 外貨建ての保険加入にあたっては為替手数料などの費用をしっかりと確認したうえで検討することが必要(基本的には他の外貨建て商品と同じ)

個人年金保険を取扱いしている外資系の保険会社と取扱商品

日本国内で営業展開している外資系の生命保険会社は、現在15社ほど存在します。TVCMでおなじみの保険会社や雑誌等の広告やダイレクトメールなどの案内も含めると、外資系保険会社は身近な存在になりつつあります。外資系の保険会社の中には、日本の生命保険会社が、過去に破綻や買収・合併等で名前が変わってしまったところも少なくありません。

個人年金保険を具体的に検討するにあたり、平成28年度時点で取り扱いをしている会社名とその商品概要をまとめました(あいうえお順)。

①アメリカンファミリー生命保険会社(日本支社)

『アフラックの個人年金』 運用情報開示なし  現在販売休止中

年金種類:確定年金/保障期間付終身年金

診査:告知書扱 払込方法:月払い/半年払い/年払い

②クレディ・アゴリコル生命保険株式会社

『達成感FX』 外貨(米ドル・ユーロ・豪ドル)運用タイプ

年金種類:確定年金/保障期間付終身年金

診査:無し 払込方法:一時払い

取扱銀行:りそな銀行/埼玉りそな銀行/近畿大阪銀行

③ジブラルタ生命保険株式会社

『通貨指定型個人年金保険』 円・外貨(米ドル・ユーロ・豪ドル)運用タイプ

年金種類:確定年金/保障期間付終身年金/

保障期間付夫婦連生終身年金/保証金額付終身年金

診査:告知書扱 払込方法:一時払い

④マスミューチュアル生命保険株式会社

『みらいの果実』、『アットウィル』、『エムソリューションⅢ』、

『ピースフルデイズ』、『マスフィエスタプラスⅢ』、

『マスミューチュアル定額年金』、『悠々時間アドバンス』

円/外貨運用タイプ

年金種類:確定年金/保障期間付終身年金/年金総額保障付終身年金

診査:無し 払込方法:一時払い

⑤マニュライフ生命保険株式会社

『こだわり個人年金』 外貨(米ドル、豪ドル)運用タイプ

年金種類:確定年金/保障期間付終身年金

診査:無し 払込方法:月払い

個人年金保険料税制適格特約付加可

『パワー・カレンシー』 外貨(米ドル、豪ドル)運用タイプ

年金種類:確定年金/終身年金

診査:無し 払込方法:一時払い

⑥メットライフ生命保険株式会社

『レグルスⅣ』 外貨(米ドル、豪ドル)運用タイプ

年金種類:確定年金/保証期間付終身年金/保障期間付夫婦年金

診査:告知書扱 払込方法:一時払い

ご覧頂いて分かる通り、アクサ生命保険株式会社やエヌエヌ生命保険株式会社、プルデンシャル生命保険株式会社など、有名どころの保険会社の名前がありません。個人年金保険を検討したいと思っても、実は選択肢がかなり少ない感じです。これは世界的に低金利時代に突入しており、金利メリットを生かした貯蓄性の高い商品の販売自体が少なくなっていることを物語っています。まずは、この現状を理解しておくことも重要です。

改めて詳細を見てみましょう。外資系の年金保険商品の注目すべきところは3つあります。

外資系の年金保険商品の注目の3つのポイント

1つ目は、外貨(米ドル、豪ドル、ユーロが主流)運用タイプが多いことです。

どの国の外貨が安心安全なのかは色々な判断材料があり、個人的また端的な評価は省かせて頂きますが、日本の長期金利(2017年4月1日現在は若干プラス金利)と比較すると高い金利での運用実績が見込めることは事実です。また外貨運用タイプですと、年金を受け取る際には日本円に換金する必要があり、その際に為替相場の影響を受けますが、円安時期に受け取ると年金額が増えることになります。

2つ目は、保険料払込方法において「一時払い」の払込方法が圧倒的に多いことです。

つまり、「毎月コツコツと積み立て、晴れて年金をもらう!」という文化・風習ではありません。退職金や相続などある程度まとまった資金がある前提で、その資金をどのように運用し、いかに自分自身や配偶者(パートナー)の老後の資金として備えるかというところで、国内の生命保険よりは利用価値のある商品が多いということです。「一時払い」となると、所得税や住民税の負担を軽くできる「個人年金保険料税制適格特約」は付加できません。つまり、節税しながら年金を貯めるという考え方もできないことになります。「月払い」や「年払い」契約で所定の条件さえ満足できれば、この特約の付帯はできると考えられますが、2017年4月1日現在では、アメリカンファミリーの『アフラックの個人年金』は販売休止中なので、マニュライフ生命の『こだわり個人年金』のみが対象となります。

 3つ目は、外資系の生命保険会社の個人年金保険には、年金種類として「終身年金」の商品が選択できることです。

つまり長生きリスクにも備える商品が外資系には存在します。少し割高ですが「保障期間付終身年金」が主流ですから、年金受給開始後の早期に亡くなると若干損をするという可能性を避ける為、年金支払いの保障期間も定めリスクヘッジしています。人の命の長さは誰しも分からないものなので、その点を考慮した優しい年金であると考えられます。

保険会社の格付や契約形態もチェックしよう!

 保険は目に見えないものです。場合によっては、「紙きれ1枚の契約」とまで表現されることもあります。保険は保険会社の信用があってはじめて成り立つシステムであることは間違いありませんが、その各種情報をどこから入手しましょうか?

 まず保険会社の信用度は、各保険会社のホームページや格付けランキング等に掲載されている、S&P(スタンダードアンドプアーズ)やムーディーズ・インベスターズ・サービスの保険財務力の格付け、R&I(格付投資情報センター)投資格付け、ソルベンシー・マージン比率等を参考にすると良いと思います。格付けは「A」や「+」が多い方が良く、ソルベンシー・マージン比率は多い方が良いとされますので、気になる商品を取り扱っている保険会社の信用度を事前にチェックしておきましょう。

 次に、「商品の詳細情報を教えてくれる」、「質問を聞いて答えてもらえる」、「ちょっとした疑問や相談に乗ってくれる」などは、保険会社の契約形態によって大きく変わってくるので、その点も事前にチェックしておくべきことです。ここでは、外資系生命保険会社(個人年金取扱い保険会社のみ)の契約形態を見てみます。

対面販売※1と通信販売※2

・アメリカンファミリー生命保険会社(日本支社)

・ジブラルタ生命保険株式会社

対面販売とインターネット販売※3

・メットライフ生命保険株式会社

対面販売

・マニュライフ生命保険株式会社

銀行窓口販売(通称:窓販)※4

・クレディ・アゴリコル生命保険株式会社

・マスミューチュアル生命保険株式会社

※1:対面販売とは、営業店での契約や外交員と面談をして契約を行う形態

※2:通信販売とは、郵送で契約を行う形態(分からないことは電話対応)

※3:インターネット販売とは、インターネットで契約(ペーパーレス)を行う形態

※4:銀行窓口販売とは、銀行や証券会社の窓口で担当者と面談して契約を行う形態

 どの保険会社も対面販売(窓販も対面販売と同等)されています。この点については、国内の生命保険会社の販売形態と類似しており、特に懸念材料とはなりません。契約前に商品説明を受け、自分自身での検討や家族とじっくり相談して結論を出し、それから契約前の説明をしっかり受けて契約に至るのが、理想的な契約までの流れです。

特に外貨建て個人年金の年金額は運用次第(事前に確定しない)という商品が多く、また元金を下回ることもあるリスクのある商品ですので、商品を検討するには、様々な可能性を事前にしっかり聞く環境が必要不可欠なのです。

敢えて気になることを挙げるとすれば、どの保険会社の営業マンも契約に飢えていることが多いので、「気楽に!」また「気長に!」相談してくれるところは少ないかもしれません。

ご自身のイメージ通りの商品で無い場合には、営業マンに押し切られて無理に契約したり、妥協して契約したりすることだけは絶対に避けるべきですので、「断るべきところは断る!」という姿勢で相談に臨む必要があります。

 インターネット販売や通信販売は、保険商品を説明してくれる「人」がほぼいない状態なので、自分自身で資料を熟読し、自分自身で分からない文言も調べ、自分自身で理解して契約する必要があります。

時間や手間暇がかかることがほとんどですが、自分自身のペースで進められるメリットはあります。しかしながら疑問や質問がある場合には、各保険会社のご相談窓口へ電話で問い合わせすることはできますが、ナビダイヤル(通話料金発信者負担)が一般的ですので、相談が長くなるとその分通信費用もかさむことになるので注意が必要です。

外貨建て個人年金保険のメリットとデメリット

 外資系の保険会社は、日本以外(主にアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ)の国々での外貨運用が主流です。保険会社にもよりますが、商品によってどこの国の通貨で運用するのかを契約者が選択できる場合もありますが、一般的に保険会社側でほぼ決められた国の通貨での運用となります。米ドルや豪ドル、ユーロなど、近年の実績利率だけを比較するならば日本よりはるかに良い状況なので、運用メリットは十分あると考えられます。

 また、あなたご自身が外貨運用についての知識が無くてもよいこともメリットです。運用自体は保険会社に任せる形になるので、当然ながら口出しはできませんが、仮に運用が悪くても最低運用利率が守られることになるので、その点では安心な商品なのです。

 もちろん良いことばかりではありません。年金を日本円で受け取る際には、為替相場の影響を受けることを知っておく必要があります。契約前はもちろん、保険料払込期間中でさえも、将来もらえるだろう年金額が確定していないことが最大のデメリットなのです。

もし年金受け取り時に円安時代が到来していれば、運用された金利の上にさらに為替差益が出て大きなメリットになりますが、その逆に円高時代が到来していれば、高金利を期待して外貨建てを選択したにもかかわらず、運用益分が為替損で影響を受け結果的に元本割れということも十分あり得るのです。

それなら運用した国(日本国外)で年金を受け取ればいいのでは?との疑問出てきます。現在は日本に住んでいますが、老後は「アメリカで、もしくはオーストラリアで永住する」や「海外旅行する」などの明確な将来ビジョンがある場合には、その指定した国の通貨での運用する個人年金保険を契約し、現地で受け取ることで、為替リスクは無くなります。一般家庭であれば、将来海外でお金を使うことを想定して外貨建て個人年金保険に契約されるケースは稀であると考えられますが、為替リスクは受け取る年金額の不確定要素の一つであることだけは、理解しておく必要があります。

 年金受け取り時には、手数料(リフティングチャージと呼ばれる)が発生する場合があります。この費用は年金を受け取る側が負担するものなので、運用や為替差益が出ていれば問題ありませんが、元本が割れるような状況でも年金額から差し引かれて振り込まれます。手数料ですので万単位の金額ではありませんが、年金額が若干少なくなるので注意が必要です。

また年金受給中にも、年金管理費が必要となります。今まで積み立ててきた年金原資の管理と運用による年金額の変動も想定されますので、管理費が必要になるのも多少理解できる範疇ではありますが、保険料の支払い期間が終わったにも関わらず、「管理費が別途必要だったとは知らなかった!」ということのならないように、必要経費は事前に想定しておく必要があります。

外資系の外貨建て個人年金保険は、契約者貸付の利用ができません。

一般的に、終身保険や養老保険、個人年金など貯蓄性の高い商品ですと、一時的に資金が必要になった場合や保険料の支払いがきびしくなった場合、契約している保険の解約返戻金の一定範囲内(約8~9割程度)において、保険会社が若干の金利で契約者自らに貸し付ける制度があります。

しかし、外貨建てですと運用自体が日本円ではありませんので、一部貸し付けるには外貨から日本円に換金する必要があります。そのため、換金手数料等を考慮すると勘定項目が非常に複雑化することなどから、契約者貸付制度は利用できない構造です。

月払いや年払いの商品について、払済保険への対応は出来ませんないことには注意してください。

保険料の支払いが厳しくなった場合に可能な対応については下記の記事を参考にしてください。

<参考記事>
保険料が払えなくなった!解約する前にできること

その他に注意すべき点は?

契約してから家庭事情は色々と変化するものです。払込期間中だったり、一時払いで既に払い込が終了したりしていても、年金受給開始前に解約する場合には、解約控除(手数料)が必要なケースがあります。

解約は保険会社側の都合ではありませんので、契約者が負うべき当然のペナルティと考えられ、元本(保険料払込総額)が保証されなくてもやむを得ない場合がほとんどです。

解約に関するペナルティ自体は、国内の生命保険会社も考え方は同様ですが、外資系の場合、契約時から期間が経過していない場合には、かなりの割合で控除されるので注意が必要です。また解約金は外貨ですので、日本円に換金するには為替相場の影響を受けたり、手数料が必要だったりします。

そのため解約は、よほどの理由が無い限り行わない方が妥当と考えられます。

契約者が死亡した場合には、契約者が年金を受け取ることは将来できませんので、法定相続人が死亡給付金を受け取ることになります。
一時払いの契約の場合には基本給付金(基本保険金額と表現される場合もある)が、月払いや年払いの契約の場合には契約時から積み立てた期間の保険料総額が積立金相当額となり、基本給付金もしくは積立金相当額と解約返戻金のいずれか高い方が、死亡給付金として支払われることになります。

死亡給付金は、前述の解約とは異なり、契約者側にはペナルティがありませんので、払い込んだ保険料総額が戻ってくるケースが多いです。
これは、国内の生命保険会社と同等の取り扱いになりますが、運用益が出ていた場合には、その分がプラスされます。しかしながら円での受け取りには為替相場の影響が必ずありますので、払い込んだ保険料総額とは異なった金額を受け取ることになります。

このようにみると、外資系の保険会社で取り扱っている外貨建て個人年金保険は、不確定要素が比較的多く、様々なリスクが伴うことが特徴です。

「個人年金」と身近な商品名が使用されておりますが、どちらかと言えば余裕資金で行うべきハイリスクハイリターンの商品という位置付けであると考えられます。老後に必ず必要な年金の運用手段として外貨建て個人年金保険の利用は、あまりお勧めできる手段とは言い難いです。

外資系のどの商品を選ぶにしても、じっくり検討した上で、また様々なリスクを伴うことを十分理解し、納得した上で、契約することが望ましいと考えられます。「損したなぁ」「得したなぁ」とはっきり言えるのは、年金を全て受け取った後のことになるので、その時の情勢やタイミングなど、自分自身での制御や管理が不可能な面を持ち合わせていることを頭の片隅に置いておかなければなりませんね。

外貨建ての商品を選ぶ際は複数の保険相談員の話を聞いたうえで判断することが望ましいといえます。当サイトでは大手企業在籍の保険相談員への相談を【無料】で提供しております。 ご自宅付近のカフェへ伺うこともできますので興味のあるかたは下記フォームよりお問い合わせください。

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