保険会社勤務の”保険・お金のプロ”が考える、老後のための貯蓄の考え方 (個人年金保険を中心に)

保険のプロが考える老後の備えと個人年金保険

この記事の内容をざっくり言うと・・・

  • 老後の時間は40年間働いていた時間と同じくらいあるということを認識したうえで貯蓄を考えていく必要がある
  • 2040年には年金生活者を支える現役世代の数は半分ほどになるため、現在の国の補償が継続されると考えず、貯蓄や投資をうまく組み合わせて資産形成をしてくことの重要性が非常に高まっている。

老後までの生活を想像してみる

皆さんは老後の生活について考えてみたことがあるでしょうか?

そもそも老後って何歳から始まるの?という疑問もわきそうですが、ここでは「老後=退職後」と考えたいと思います。

二十歳を過ぎて大学や専門学校などを卒業し、社会人になった後、朝早く起きて会社に行き、夜遅そくにかえってくるという会社人としての生活を始める人が大半でしょうか。

中にはご自身で事業を起こす方もいらっしゃるでしょうが、朝から夜まで働くという方が大半ですね。

おおよそ22歳から60歳・・・最近では65歳まで働き続けることができるという会社が増えてきましたが、おしなべて言えば、約40年間働き続けるわけです。一日8時間労働としても、痛勤ならぬ通勤時間の往復2時間を含めると、会社勤めに一日10時間を費やしていることになります。

これが週5日・・・年間約230日・・・働いている間の40年間にはなんと9万2000時間もの時間が過ぎているのです。

退職後=老後の生活を想像してみる

退職後の生活を想像してみましょう。

朝起きてご飯を食べて、少し散歩がてら図書館に寄って、お昼は近くのスーパーでお弁当を買って食べ、もう一度図書館に寄ってゆっくり過ごし、夕方、スーパーでお惣菜を購入して帰宅し夜ご飯を食べ、テレビを見て9時過ぎには就寝・・・こんな生活かもしれません。

それまでの会社員人生と違い、働くということがありませんので時間はたっぷりあります。

ざっと14時間くらいでしょうか。土曜も日曜も祝日も、毎日同じような時間の流れ方です。

仮に今の平均寿命(男性81歳、女性88歳)までの時間だとしても、65歳からの時間は男性で8万1760時間(14時間×365日×16年)、女性では11万7530時間(14時間×365日×23年)。

おおよそ会社員人生で労働に捧げた時間に匹敵するだけの長い時間が老後=退職後には待っているのです。

最近の統計では65歳を迎えた男性の4人に一人が90歳まで、女性では4人に一人が95歳まで生きることが分かっています。もしかしたら退職後30年近くも私たちは生きることになるかも知れないのです。

その場合、老後の時間は会社員として働いた時間をはるかに超える時間ということになります。それだけ老後は長いということがお分りいただけたでしょうか。

老後の時間に収入と呼べるものは「年金」だという人が大半です。

現在の年金制度では、20歳から60歳まで、国民年金、または会社勤めの人は厚生年金をしっかり払うと、65歳から「老齢基礎年金」として年間約78万円が受給されます。会社勤めで厚生年金に加入していた場合は、「老齢厚生年金」が更に貰えます。

老齢厚生年金はそれまでの収入に比例して額が変わりますが、平均の年収額が500万円だったとすると老齢厚生年金はおおよそ110万円です。「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」を併せると、年間、約188万円が受給される計算になります。

奥様が主婦(または旦那様が主夫)の場合、受給額は「老齢厚生年金」の78万円だけですが、夫婦二人で計算すると年間で約266万円(=188万円+78万円)となります。

月額にすると、夫婦二人では約22万円(*)。

夫婦二人での生活費は、電気、水道、ガスの公共料金が3万円として、食費が5万円、新聞や携帯電話などで2万円、外食費1万円・・・22万円もあれば日々の生活はまかなえるでしょう。

ここでもう一度、老後の生活を想像してみましょう。

朝起きて、図書館に寄って、と、先程想像していた流れが毎日同じように繰り返されるわけではないと思います。

たまには映画も見てみたい、たまにはショッピングも楽しみたい、カフェでお茶もしたい・・・など、時には贅沢をしたくなったり、趣味を楽しみたい時もあると思います。

会社勤めの時と違って定期券がありませんので、出かけると電車代等の交通費も掛かります。

夫婦で出かけ、映画を見た後、小洒落たお店でランチを食べ、カフェでお茶して帰ったとします。映画鑑賞代はシニア割引が利いたとしても、電車代、ランチ代、カフェ代で夫婦二人であっという間に1万円近くの出費になってしまいます。

老後とはいえ、週に一度くらいはそうした日があるくらいの生活水準はキープしたいのではないでしょうか。そう考えると月額22万円の年金で老後の生活は悠々自適・・・というわけでもないでしょう。

子供がいる方は孫が生まれてくるのも老後のイベントの一つでしょうか。

孫の顔を見ると何かを買ってあげたくなるものだそうです。

初節句の兜、桃の節句のひな人形、七五三の着物など高価なものに始まり、ちょっとしたおもちゃやお菓子、3世代そろってのお食事会やお小遣いなど。

また年に一度は旅行もしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。老後は時間がたっぷりあります。それだけにお金を使う機会もたくさんあります。

ここまで具体的に想像をしてみると、さすがに年金だけでは足りなさそうだということがお分りいただけたと思います。

将来的に年金制度はどのように変化するのか

今度は世の中に目を向けてみましょう。

日本の総人口は2004年にピークを迎えた後、人口減が止まらず、2050年には1億人を下回るとも言われています。

一方、医療の進歩もあり、前述のとおり平均寿命は長くなり、人口全体に占める年金生活者(65歳以上)は今後ますます増えていくとr言われています。

現在の日本の年金制度は基本的には「賦課(ふか)方式」で運営されていて、現役世代が納めた社会保険料は、そのときの年金受給者への支払いに充てられています。私たちが月々負担している社会保険料は、将来への積立ではなく、私たちの親世代の年金となって支給されているのです。

現在では約2.6人の現役世代の社会保険料で一人の年金生活者を支えていますが、2040年になると1.4人の現役世代で一人の年金生活者の割合になると予測されています。

この先も年金の受取額が変わらないとすると、支える現役世代の人数が減るということですので現役世代の負担は大きくなります。

給与明細を見ていただくと、社会保険料として給与の10%弱が引かれているかと思います。2040年には支える現役世代は今の2.6人から1.4人へとほぼ半減となるわけですから、この社会保険料は今の倍としなければ、年金制度は支えられないということになります。

つまり給料の2割(現在は1割弱)が社会保険料として天引きされるとなると、「こんなことやっていられない」となる人も出てくでしょう。

社会保険料をのべつまなく引き上げるとこのように会社員をやめてしまう若者が多くなることにも繋がり兼ねない為、社会保険料を倍額にすることは現実的ではないですし、そうなると現役世代が納める社会保険料では年金受給額を賄うことはできません。こうなると年金受給者に泣いてもらうしかありません。

年金の支給開始年齢が後連れしたり、支給額が減ったりする可能性が極めて高いといわれる理由はここにあります。

投資の必要性とは?

先ほど説明したとおり、現在の年金制度でもらえるのが夫婦二人で月々約22万円(*)です。老後の生活を想像すると、実は足りそうで足りないという事が分りました。

それでも老後の生活の支えとなる年金でしたが、それすらも減ってしまう可能性があるようです。将来、映画をみたりする余暇を楽しむ生活や、孫にプレゼントを買ってやる楽しみをあきらめなければならないかも知れません。そんな時間が10万時間近く(20年~30年)続くと考えると恐ろしく思えます。

老後のお金は貯めておかなければならないといわれる意味を、だんだんと具体的にお分りいただけているのではないでしょうか。

金融機関の店頭にいくとNISAやIDeCoといった文字のチラシが目につきます。NISAやIDeCoは税金の優遇が受けられる制度です。国が税金をおまけします、と言っているわけです。

これは、将来的に年金制度が変更され、受け取る年金が少なくなることに備えなさいという国(=政府)のメッセージなのです。

しかし、お金を貯めるだけなら銀行の定期預金で良い、何もリスクを伴う投資なんかしなくても良いのではないか、と思う人も多いでしょう。

現在、銀行の定期預金金利は0.01%、100万円を預けても1年後の利息はたったの100円です(実際は税金が源泉徴収され80円程度になります)。10年預けてもほとんどお金は増えません。

「そうは言ってもリスクは伴いたくないし、安全に貯蓄をしたいからこれで良い。」

本当に安全なんでしょうか?100円で買えるものは何年経っても100円のままでしょうか?例えば10数年前までは缶ジュースは一本100円で買えました。今では130円、150円程する場合もあります。

私が子供の頃、担任の先生が乗っていた赤い軽自動車は40万円ほどでした。今、カーディーラーに行って40万円で軽自動車が買えるでしょうか?

今は倍以上の値段です。

長い時間をかけてモノの値段は上がっていきます。老後にやろうと思っていることに必要な何百万円、何千万円(つまり財やサービスを買うための資金)を一生懸命貯めても、その間に(財やサービス)の値段が上がるので、足りなくなるかも知れないのです。せっかく貯めたお金も、いざ必要な時に足りないとなると困ります。

そこでお金も、老後までの時間に増えてもらわなければなりません。そのための投資というわけです。

正しい投資の考え方とは

仮にお金を倍に増やしたいとします。

せっかちな人は大井競馬場にでも出向いて一発勝負にかけるかも知れません。お金が倍になるかも知れませんが、ゼロになるかも知れません。かなりリスクは高そうですし、そもそもこれは吉と出るか凶と出るかのギャンブルです。

株式投資や最近流行りのFXなどで一儲けするのも良いかも知れません。ただ、これは専門的な知識も必要ですし、特をしたり損をしたり、ハラハラ、ドキドキ、心が落ち着きません。これらは短期的な相場の上下をチャンス(機)と捉えて資金を投じる、投機であって、10年、20年と続ける長期的な資産形成にはあまり向いていません。

投資とは、時間をかけて、成長が期待できるものに資金を投じることなのです。しかも10年、20年もの時間を使うことが出来ます。

お金が2倍になるまでの年数は「およそ72÷利率」で算出されると言われています。2%のものに投資すれば約36年、5%だと15年弱です。お金を倍にするのに必要な利回りは、かける時間にもよりますが、10%も20%もの利回りが必要なわけではないのです。

銀行の定期預金などの金融商品だけを見ていると、5%はおろか1%の利回りも確保できませんが、世界に目を向けるとその可能性は広がってきます。

アジアやアフリカなど人口が増え、成長している国は多くあります。国が成長(≒GDPが伸びている)するにつれ、それらの国の株式市場も成長しています。

勿論、2008年に起きたリーマンショックのような経済・金融危機で世界の株価は大きく下落することもあります。過去数十年の間にそうした危機は何度も訪れましたが、そのたびに回復し、株価は伸びてきました。例えば米国の株式相場を見ても、1970年の株価に比べ今はその100倍にまで成長しています。

投資をする際の「いろは」として、「長期投資」「資産分散」「時間分散」の3つが挙げられます。

長期投資

外国株式のような為替リスクも株価変動リスクもあるものに投資したとします。1年ごとの相場変動で元本は倍になったり半分になったりもします。

ですが投資した後、相場変動をチェックせず、10年後に初めて成果を確認したとします。あるシミュレーションでは、10年経過後の年率換算の投資収益率は▲4%~+18%とその振れ幅は小さくなっていることが示されています。

20年後となると、年率投資収益率の振れ幅は+5%~+15%。しかも平均の投資収益率は10年で約8%、20年で9%となることが示されています。

あくまで過去のシミュレーションとはいえ、リスクの高い商品へ投資しても、10年、20年という長い時間をかけるとその振れ幅(リスク度合い)は平準化され、一定の利回りが確保されていることが示されています。

資産分散

これは「卵をひとつのカゴに盛るな」という投資格言に代表されます。卵を一つのカゴに盛ったところ、あるはずみでカゴをひっくり返してしまうと全ての卵が割れてしまいます。

投資も同様、一点集中で投資をすると、何かの弾みで大暴落となると、大損してしまいますが、いくつかの投資先に分散しておけば、ある投資が上手くいかなくても、他の投資でうまくいくこともあります。

いくつかの投資先にそれぞれ一点集中で投資した場合のパフォーマンスを比べたところ、1990年ごろのナンバーワンは「新興国株式」でワーストは「日本株式」だったそうです。ところが2015年はアベノミクス効果もあって「日本株式」は最高のパフォーマンス、かたや「新興国株式」は最低の結果だったそうです。

このように一点集中では浮き沈みが激しいのですが、こうした投資先をうまく組み合わせると、大損するリスクを減らすことができ、大勝はしないものの一定のリターンを確保することができるのです。

時間分散

これは「ドルコスト平均法」として知られる手法です。

「リンゴを毎月1000円分購入する」という投資をしたとします。最初の月はリンゴ1個=100円で、リンゴ10個仕入れました。次の月はリンゴ1個=50円となり、リンゴを20個仕入れました。その次の月、リンゴ1個=10円となりましたが、やはりリンゴを1000円分購入し、100個仕入れました。ここまでで投資総額は3000円(1000円×3か月)、仕入れたリンゴは130個です。

さて4か月目、リンゴ1個=40円と持ち直しました。仕入れたリンゴを市場で売ることとし、資金を回収しました。40円×130個=5200円・・・投資の成果は「口数×価格」で表されますが、値段が下がった時にも同じ金額を投じることで、「口数」を増やすことができ、結果として成果につながったわけです。

勿論、このドルコスト平均法も万能ではありませんが、上下する(株式)相場も、前の段落で見た通り、長い目で見れば成長(上昇)しているのです。一定の金額で買い続けることによって、価格の変動に一喜一憂せずに投資を続け、安定した収益を期待することが出来るのです。

このように考えると投資とも上手く付き合うことが出来そうに思えて来ないでしょうか。

投資先について

こうした投資の対象として投資信託も考えられるでしょう。ですがNISAを選択しても現行制度では5年以内の投資にしか無税の扱いになりません。

老後の暮らしを豊かにするための資産作りとなると、10年、20年、場合によっては30年近い時間があり、それらを上手く使って資産を増やしていくことになります。生命保険会社が販売する年金保険の場合、満期金を受け取るまで課税は先送りされます。

また満期金から支払保険料総額を差し引いたいわゆる利益部分が一定の範囲内であれば、税額控除もあり、無税となります。

そのため、老後資金のような長期にわたる資産形成を行う場合、生命保険会社の年金保険も有力な資産形成手段の一つとなると言えるでしょう。

年金保険についてはどのような生活をしたいのかをイメージしたうえでしっかりと専門家の意見を元に判断することが望ましいといえます。

どのような生活をしたいのか(目的)を考えるにあたっては下記の記事を参考にしてみてください。

個人年金保険に入るべき人はどんな人?どのように加入を検討する?

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