生命保険加入にあたり、「万が一が」起こる可能性と社会保障制度を考える

万が一が起こる可能性と国の保障はどのくらい?

この記事の内容をざっくり言うと・・・

  • 万が一が実際に起こる可能性と国の保障制度を理解することで生命保険の加入がどれだけ必要になるのかどうかを考えるための記事です。

「万が一の時に」と言いますが、「万が一」ってどんなケースがあり、起こりうる可能性はどれくらいのものなのでしょうか。また、「万が一」が起こった場合の社会保障制度、「遺族年金」とはどういうものなのでしょうか。

話は聞いたことあるけど、実際そんなに知らないな・・・という方が多いのではないでしょうか。保険のことは考えるにあたり、この2点は知っておいた方が良いポイントだと思います。

それぞれの章にて、順を追って見ていきましょう。

「万が一」が起こりうる可能性

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「死亡」「病気」「老後」、この3つが人生の最大リスクとしてあげられておりますが、ここでは「万が一」というのを「死亡」として見ていきましょう。

万が一の恐れ、つまり、具体的に人が「死亡」する割合はどれくらいなのでしょうか。その指標となるのが「死亡率」です。

通常、死亡率は年齢とともに上昇していきます。厚生労働省の「簡易生命表(平成28年)」によると、40歳の男性の死亡率は1,000人あたり0.98人。これは、1,000人の40歳の男性がいるとすれば、1年後に生存している人数が999人いることを意味しています。同じ年齢でも女性の場合は40歳で1000人あたり0.60人と、男性の6割程度であることがわかります。

定年を迎える60歳で見てみると、男性は1,000人あたり6.7人、女性は1,000人あたり3.0人となっています。20歳から80歳くらいまでの死亡率は、総じて女性の方が万一の場合が起こる可能性が低い結果が出ていますが、男女ともに死亡率1%にも満たない数字となっており、国際的にもかなり低いと言えます。

万が一の原因について

それでは「万が一」の原因について、男女別、年齢別に見ていきましょう。働き盛りとされる、20歳から60歳の「死因」について、厚生労働省の「平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況」にて男女別にみてみると、以下の表のようになります。

年齢別死因(男性)

種類 一位 二位 三位
20~34歳 自殺 不慮の事故 悪性新生物
35~44歳 自殺 悪性新生物 心疾患
45~54歳 悪性新生物 心疾患 自殺
55~64歳 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患

年齢別死因(女性)

種類 一位 二位 三位
20~24歳 自殺 不慮の事故 悪性新生物
25~29歳 自殺 悪性新生物 不慮の事故
30~34歳 悪性新生物 自殺 不慮の事故
35~39歳 悪性新生物 自殺 心疾患
40~44歳 悪性新生物 自殺 脳血管疾患
45~49歳 悪性新生物 自殺 脳血管疾患
50~54歳 悪性新生物 脳血管疾患 自殺
55~60歳 悪性新生物 脳血管疾患 心疾患

こうして見てみると、悪性新生物(がん)が圧倒的に多いことがわかります。また、日本は自殺大国とも言われていますが、その項目も女性の方で特に目立ちます。その他にも「心疾患」「脳血管疾患」4位まで含めると「肺炎」という項目も目立ちます。

ここでは「不慮の事故」ともされているものには、どんな項目があるのでしょう。項目別に詳細を見ていきましょう。

●交通事故

平成28年の交通事故死者数は3,904人で、昭和24年以来67年ぶりの3千人台になったようです。人口の割合の観点から見ても、3.1%と年々減少傾向にあります。

<警視庁 「平成28年における交通死亡事故について」>

●火災

平成27年中の「火災による死者数」は1,563人で、そのうち放火自殺者、放火自殺の巻き添えとなった人及び放火殺人による死者を除いた死者数は1,204人と前年に比べ58人(4.6%)減少しており、平成17年以降減少傾向となっています。

<消防庁 「消防白書(H28年版)」>

●災害

警視庁の「H29警察白書」によると、災害のうち、自然災害(台風・大雨・強風・地震、火山)で92人が、事故(山岳・水難)で1,135人が死亡・行方不明となっています。

●労働災害

以下の表は、平成28年度の死亡災害発生状況です。件数や死亡者数は減少傾向にあり、過去最低の928人という結果になっています。

<厚生労働省「平成28年における労働災害発生状況」>

死亡災害発生状況

全体 928人(前年比▲4.5%)
墜落・転落 232人(25%)
交通事故(道路) 218人(24%)
挟まれ・巻き込まれ 132人(14%)
激突され 78人(8%)
崩壊・倒壊 57人(6%)
高温・低温物との接触 16人(2%)
その他 195人(21%)

どの数字や割合を見ても、年間1000人前後と、日本の総人口から考えると少ない数字、パーセンテージに換算しても少ない割合に思えるでしょう。

ただ、このようなことが自分に絶対起こり得ないということは、確証がありません。どう捉えるかは個人によって大きく異なるとは思います。「備えあれば憂いなし」、というように、万が一を考えてケアしておくことに損はないかもしれません。

「万が一」が起こった時の社会保障、「遺族年金」

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前章にも記載した通り、日本の死亡率が低いとは言え、「万が一」が絶対に起こらないとは限りません。一家の大黒柱に「万が一」があった時に、残された家族は困ってしまいます。その残された家族に対しての暮らしの支えとなる社会保障として、「遺族年金」の制度があります。

死亡の備えに関して、民間保険の認知度が高いと思いますが、この公的保障「遺族年金」で足りない部分を補うのが民間保険の役割とされています。

どんな制度なのか、順を追って見ていきましょう。

遺族年金とは?

遺族年金とは、一家の大黒柱に万が一のことがあった時に受け取ることのできる「年金」です。

遺族年金には、「遺族基礎年金」、「遺族厚生年金」、「遺族共済年金」の3種類があります。そこに補助として「寡婦年金」、「一時死亡金」がつけられることもあります。

亡くなった人の職業によって、どの年金を受け取れるかは異なり、また、受け取れる年金の種類によって、遺族の範囲も異なります。以下は簡単に表にしたものですが、それぞれ一つずつ内容を見ていきましょう。

加入している公的年金 18歳未満の子どもの有無 給付の種類
国民年金
(自営業・フリーランスなど)
あり 遺族基礎年金
なし 寡婦年金または死亡一時金
厚生年金
(会社員など)
あり 遺族基礎年金+遺族厚生年金
なし 遺族厚生年金
共済年金
(公務員など)
あり 遺族基礎年金+遺族共済年金
なし 遺族共済年金

*遺族基礎年金・・・受給金額<780,100円+子の加算>

遺族基礎年金とは、国民年金に加入している人が死亡した時に、その遺族(配偶者または子ども)に支給される年金のことです。

子どもが18歳になるまで(18歳の年度末まで)受け取ることができますが、18歳未満の子どもがいない場合には、受給することができません。

給付条件

・加入期間の2/3以上が保険料納付済期間であること
・支給対象に年850万円以上の収入または年655万5千円以上の所得がないこと
・支給対象が、亡くなった人によって生計が維持されていた場合

給付対象

・18歳未満の子どもがいる妻・夫
・18歳になった年度の3月31日を超えていない子ども
※(1級・2級障害者なら20歳未満)

給付額

・18歳未満の子どもが1人……年間1,004,600円(780,100円+224,500円)
・18歳未満の子どもが2人……年間1,229,100円(780,100円+224,500円×2)
・18歳未満の子どもが3人……年間1,303,900円(780,100円+224,500円×2+74,800円)
・4人以降……年間1,303,900円+4人以降の子ども1人につき74,800円

支給期間

・子どもが18歳になるまで(18歳の年度末まで)
※夫・妻の死亡時に30歳未満だった配偶者が受け取る場合は、遺族基礎年金の受給資格を失ってから5年間

受給対象はもともと「18歳未満の子どもがいる妻」と「子ども」に限定されていましたが、平成26年4月の改正で、夫も受給の対象になりました。どんな人でも国民年金に加入しているので、条件さえあえば必ず利用できる制度となっています。

*遺族厚生年金・・・受給金額<厚生年金の約3/4(+585,100円)>

遺族厚生年金は、受給には厚生年金に加入している必要があり、基本的に会社員が利用する遺族年金です。18歳未満の子どもがいなくても支給され、18歳未満の子どもがいれば遺族基礎年金に上乗せして支給されます。支給対象も配偶者と子どもだけではなく、祖父母などが加わります。

給付される条件

・加入期間の2/3以上が保険料納付済期間であること
・支給対象に年850万円以上の収入または年655万5千円以上の所得がないこと
・支給対象が、亡くなった人によって生計が維持されていた場合

給付対象になる遺族

・妻
・子ども・孫
・55歳以上の夫
・55歳以上の父母
・55歳以上の祖父母
※(支給開始は60歳で、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせた受給になる)

給付額

死亡した本人が本来受け取るはずだった厚生年金のおよそ3/4

支給期間

【妻】
一生涯
※夫の死亡時に30歳未満だった妻が受け取る場合は、遺族厚生年金の受給資格を失ってから5年間【子ども・孫】
18際の年度末まで
※(1級・2級障害者なら20歳まで)【夫・父母・祖父母】
60歳から一生涯

この表のように、遺族厚生年金は複雑な仕組みになっています。

順番に見ていくと、支給対象の遺族が増え、優先順位は、【子どもがいる配偶者→子ども→子どものいない配偶者→父母→孫→祖父母】となります。

注意したいのは、55歳未満の夫・父母・祖父母には受給権が発生しないことと、55歳以上であっても60歳になるまでは支給されないことです。

給付額については、ものすごく複雑な計算式で求められるので、大まかに、死亡した人が本来受け取る予定だった老齢厚生年金の3/4と捉えておきましょう

18歳未満の子どもがいない妻が40歳以上という場合、「中高齢寡婦加算」という特別な手当が支給され、65歳になるまでの間、年間で585,100円の増額が見込まれます。

目安ですが、遺族厚生年金で支給される具体的な金額は以下の通りです。

子どものいる妻

子ども3人の期間

年額1,865,000円(月額155,416円)
(遺族基礎年金+遺族厚生年金)

子ども2人の期間

年額1,790,200円(月額149,183円)
(遺族基礎年金+遺族厚生年金)

子ども1人の期間

年額1,565,700円(月額130,475円)
(遺族基礎年金+遺族厚生年金)

子どものいない妻

妻が65歳未満の期間
(夫死亡時に妻が40歳未満の場合)

年額561,100円(月額46,758円)
(遺族厚生年金)

妻が65歳未満の期間
(夫死亡時に妻が40~64歳の場合)

年額1,146,200円(月額95,516円)
(遺族厚生年金+中高齢寡婦加算)

妻が65歳以降の期間

年額1,341,200円(月額111,766円)
(遺族厚生年金+妻の老齢基礎年金)

出典:公益財団法人生命保険文化センター

*遺族共済年金・・・受給金額<共済年金のおよそ3/4>

遺族共済年金は、基本的に公務員の人が利用するもので、遺族厚生年金とほぼ同じです。現段階では、遺族厚生年金よりも少しだけもらえる金額が大きい遺族年金と捉えておけば十分です。

*寡婦年金・・・受給金額<老齢基礎年金の3/4>

寡婦年金とは、遺族基礎年金も遺族厚生年金も支給されない、夫が国民年金のみの加入者(自営業等)で、かつ18歳未満の子どもがいない場合に適用される年金です。遺族基礎年金の受給対象外なので、その代わりにもらえる助け舟が寡婦年金ということです。国民年金に支払っていた夫の保険料が、掛け捨てにならないように配慮された制度です。

給付される条件

・保険料納付済期間が合計25年以上であること
・支給対象が、亡くなった人によって生計が維持されていた場合

給付対象になる遺族

・亡くなった夫と10年以上継続して婚姻関係にあった妻
※妻がすでに自身の老齢基礎年金を受けとっていた場合は給付対象にならない

給付額

・夫が本来受け取るはずだった老齢基礎年金の3/4

支給期間

・60~65歳までの5年間

夫が保険料を40年間納付し続けていた場合、老齢基礎年金は満額で780,100円(年間)になります。この場合、寡婦年金の受給額はおよそ3/4と計算して、58万円(年間)になります。ただ、妻が自身の老齢基礎年金を65歳よりも前に繰り上げ受給していると、寡婦年金はもらえないため注意が必要です。

*死亡一時金・・・受給金額<12〜32万円(+8,500円)>

死亡一時金も、遺族基礎年金が支給されない場合に登場する制度です。死亡一時金は、一時金として一回のみ支払われます。

給付される条件

・遺族が遺族基礎年金の支給を受けられない場合
・亡くなった本人が、36月以上保険料を納めていること
・支給対象が、亡くなった人によって生計が維持されていた場合
・寡婦年金を受け取らないこと

給付対象になる遺族

・配偶者
・子ども・孫
・父母
・祖父母
・兄弟姉妹

給付額

・12~32万円(保険料を納めた月数に応じて異なる)
※付加保険料を納めた月数が36月以上ある場合は、8,500円が加算される

支給期間

・1回の支給

支給される優先順位は、【配偶者→子ども→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹】となっています。寡婦年金を受け取る場合は、死亡一時金は利用できません。どちらか一方の受給となります。

死亡一時金による受給額は以下の通りです。
※付加保険料を36月以上納めていた場合は、8,500円が加算

保険料納付済期間

金額

36月以上180月未満

120,000円

180月以上240月未満

145,000円

240月以上300月未満

170,000円

300月以上360月未満

220,000円

360月以上420月未満

270,000円

420月以上

320,000円

金額を見ると、寡婦年金の方が圧倒的に高額です。寡婦年金を受け取れない場合(妻が自身の老齢基礎年金を繰り上げ受給した場合など)は、死亡一時金を受け取った方がよいでしょう。

まとめ

https://www.pexels.com/photo/people-on-the-lawn-grass-running-to-the-house-during-daytime-83136/

ここまで、「万が一」が起こりうる可能性と、起こった時に受給できる「遺族年金」について記載してきました。感想として、「万が一」の可能性は思った以上に低く、起こった時も「公的な保障で意外と保障されるんだ」、という感想を持った方が多いのではないでしょうか。

保険を検討する際はこの知識をベースに持っておくことで、無駄な支払いを回避することができるかもしれません。ただ、公的保障にも様々な条件があり、複雑なので、公的保障について何が受給されるのか等は、一度専門家に相談して確認してみても良いでしょう。

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