日本の生命保険会社はなぜ儲かっているのか(国内生保の加入を勧めないワケ)

国内生保の加入を勧めないワケとは

この記事の内容をざっくり言うと・・・

  • 生命保険は純保険料と付加保険料(保険会社の利益や手数料など)で成り立っており、多くのCMやオフィスビルを有する会社ほど付加保険料が高い
  • アンケートによると保険加入金額の世帯平均は1800万円ほどにもかかわらず、実際に受けとった家庭からのアンケートでは300万弱が平均となっている。その事より、自身に合わせたプランではなく、保険会社が儲かるプランを提案されている可能性が高い事がわかる
  • 例えばCMでやっているような保険は3000万の保障と言いながらも、2800万円は定期保険の掛け捨て、200万のみが貯蓄型になっているようなケースが多く、実際に保障をもらうタイミングでは定期保険の期限が切れているという事が起きる可能性がある

ここまで、それぞれの商品の特徴や制度など、様々な角度から生命保険についてご紹介してまいりました。順番にお読みいただくと、なんとなくぼんやりしていた生命保険について、どのように考えればいいのかということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

今回はそれらの知識を総合して、今の日本の生命保険の現状についてご紹介していきたいと思います。今後ご自身や大切なご家族・ご友人は保険を考える際の参考にしていただければと思います。

国内生保会社の有名商品には加入しない方がいい?

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「生命保険の加入率はどのくらい?加入金額は?」でもご紹介した通り、日本人は男女ともに80%以上の方が何らかの生命保険に加入している「保険大国」です。

これは古くから村文化として、地域で助け合って生きてきた日本人にとって、「相互扶助」という保険の考え方が非常に自然であることや、心配性である国民性が大きく影響しているのではないかと思います。

保険に加入することは、将来の自分自身や大切なご家族を守るためにも、非常に重要なことですが、多くの方が国内大手の生命保険会社(一般的に「漢字系生保」と呼ばれています)の商品に加入しているのではないでしょうか。

それはきっと、「大手だから(倒産等の危険性が少なくて安心など)」、「TVCMをよくやっていて有名だから」、「知り合いがその会社に勤務しているから」など、理由は様々でしょう。

しかし、多くのケースにおいて、こういった国内系大手生命保険の、特にTVCMをやっているような「有名な商品」には加入しない方がいいです。

以下、その理由をお伝えしてまいります。

まず、保険料はどのように決まるか

他の記事でも何度かご紹介しておりますが、保険加入者の方が生命保険会社に支払う保険料は、その内訳として「純保険料」と「付加保険料」に分かれています。

【純保険料とは】

純保険料は、死亡保険金や満期保険金を支払うための原資になるお金です。保険商品を設計する場合、各社ほぼ同様の死亡率を用いて計算するため、この部分は同様の商品であれば、保険会社によっての差はほとんどありません。

【付加保険料】

付加保険料は、保険会社が会社を維持するための経費になるお金です。この部分から会社を運営する費用(人件費やオフィスの維持費)、代理店への手数料の支払いや、商品に上乗せされた利益を回収しています。

さて、こういった構成比によって加入者から保険料を集めているのですが、日本の保険会社に対して、このように思ったことはないでしょうか。

「大都市を始め、その保険会社の名前が付いたビルをたくさん持っている」

「ゴールデンタイムにたくさんTVCMを流している」

「様々なイベントに協賛している」

「社員は皆、高級取りのイメージ(そして調べると実際に平均給与が高い)」

実際、これらは事実であり日本の大手生命保険会社は非常に「儲かっている企業」であると言えます。

これらの事実を踏まえ、「では、日本の生命保険会社は不当に高い保険料を加入者に請求しているのか!!」というと、実はそうではありません。

生命保険の商品を開発する場合、この死亡率に基づき、これくらいの支払い予測が立つため、これくらいの保険料で設定しますというのを、かなり細かく金融庁に対して提出し、認可を得て初めて商品可されます。

実際金融庁の担当役人の方々は本当に優秀な方が揃っており、極端に保険会社が儲かるような指標で計算した場合は、瞬時に見抜いてしまいますし、基本は各社ほぼ同じ生命表を用いて計算しているため、本来より多めに死亡率を予測して・・・ということは難しく、純保険料はほぼ同じになります。

では、各社で違う付加保険料を多めに見積もっているのではと考えられますが、こちらも実際はそれほどではないと思います。(会社によってはそういう会社もあるかもしれませんが、こちらも金融庁を通している以上は極端なことはないと思われます)

では、なぜ日本の生命保険会社はこんなに「儲かっている」のか。

そのカギは、TVCMもやっている「有名な商品」の拡販によるものなのです!

誰もが知る有名商品の仕組み

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ここで改めて保険商品と加入率などのおさらいをしたいと思います。

(詳しくは「生命保険の加入率はどのくらい?加入金額は?」をご参照ください。)

ここで、100件のお宅がある大きなマンションをイメージしてください。今からその100件を順番に訪問し、1件1件「何らか生命保険の商品に加入されていますか?」と聞いて回ったとします。

結果は上記の通り80%以上、つまり100件のうち約80件のお宅は何らかの生命保険に加入しているということになります。

その約80件のお宅に、「世帯主に万が一のことがあった場合、死亡保険としていくらの保障をかけていますか?」と聞くと、男性の平均である1,793万円という答えになるかと思います。

10年ほど前には2,200〜2,300万円が平均でしたが、近年は下降傾向にあります。

とはいえ、保障が100万円の方も1億円の方もいらっしゃるでしょうが、平均して約1,800万円は受け取れる保険に加入しているということがわかります。

では、その中で実際に世帯主にご不幸があったご家庭の家族の方だけを集めて、こっそりとこう聞いたとします。

「大変伺いにくいのですが、実際のところ死亡保険金として、保険会社からいくら受け取りましたか?」と。

実はその受け取った金額の平均値は、なんと280.5万円です。

当然生命保険は加入している方しか保険金を受け取れません。かけている金額も様々でしょうが、平均約1,800万円あったはずの保障が、受け取る時には約281万円・・・・。

実はこれこそが、日本の生命保険会社、特に有名な商品をオススメしない理由なのです。

生命保険は大きく2つの形に分かれる

生命保険には一見様々な商品があるように見えますが、実は大きく分けると2種類に分類されます。では、以下その2種類についてご紹介いたします。

まず1つ目は、図で書くとやや長方形をしています。

例えば30歳の方が60歳まで払込を行う、3,000万円の保障の保険だとします。

この保険は払込をしている期間(30〜60歳)に被保険者に万が一のことがあれば、この3,000万円というお金を遺族が受け取ることができます。

ただし、60歳を過ぎてしまったその後に無くなった場合は、1円も受け取れません。

この保険は保障される期間が定まった保険ということで、「定期保険」と呼ばれています。

2つ目は、図で書くと長い長方形の形をしています。

上記と同じように30歳の方が60歳まで払込を行う、3,000万円の保障の保険だとします。この保険は払込をしている期間(30〜60歳)に被保険者に万が一のことがあればもちろん、払込が終わる60歳を過ぎて亡くなることがあっても、解約さえしなければいつでも3,000万円の保険金を遺族が受け取ることができます。

この保険はその身が終わるまで保障が続くということで、「終身保険」と呼ばれています。

 

実は生命保険はこの2つが基本となり、その他の商品はこのいずれかの形を少し変えたものですので、まずはこの2つを理解できれば基本は押さえたことになります。

さて、保険はこの2種類がメインとなりますが、実際のところ1つ目の保険「定期保険」はあまり人気がありません。というのも、この例で見た60歳までに亡くなる確率を考えると、男性の場合1,000人に6.7人しか亡くならず、993人はお元気だということです。

これは、周囲の60歳の方を思い出していただければ納得だと思いますが、定年退職をされる60歳や65歳はまだまだお若く、元気な方ばかりです。

そういうことからも、保険料を長く支払っても受け取れる方はごくわずかであることから、あまり人気がありません。

一方で、2つ目の保険「終身保険」はどうでしょうか。

こちらは一度保険に加入しさえすれば、いつ何時万が一があっても必ず残されたご家族が保険金を受け取れるという非常に安心な保険です。

ただしこの保険は、月々の保険料が定期保険の何倍も高いという弱点があり、これだけで多くの保障を確保するのは金銭的に難しくなります。

それぞれ一長一短あり、使用用途や必要な時期等に合わせて活用していくものですが、実は多くの方が加入されている保険はこのどちらでもないということが大半なのです。

形は2つしかないのに、そのどちらでもない?

というのも、多くの方はこの2つを組みあせた保険に入っていることが多いのです。

  • 2つの形を組み合わせた「定期保険特約付終身保険」

多くの方が加入されている保険は、1つ目の保険と2つ目の保険を組み合わせたような形の保険であることが多いです。

例えば図のように1つ目(定期保険)が2,800万円、2つ目(終身保険)が200万円というような組み合わせです。

条件は上2つと全く同じで、30歳で加入し、60歳まで払込を行う保険です。

この保険、30歳で加入し10年度の40歳を迎える3ヶ月ぐらい前、保険会社からハガキが一枚届きます。

「お客様が加入いただいている保険の定期保険(1つ目の保険)の部分が、40歳をもって消滅し、200万円だけの保障になります。ご要望があれば自動で更新も可能です。」

30歳から40歳にかけ、結婚してお子さまを持たれる家庭も多く、まだお子さまが小さいうちに自分に何かがあったら大変だ!!と、多くの方が契約を更新することになります。

この際、30歳で加入した場合よりも10年分死亡リスクは上がっていますので、当然毎月の保険料もアップします。

その上がり幅が、これまで支払ってきた1.7〜2.3倍と言われています。

通常30歳で上記のような保障に加入した場合の保険料は15,000円前後であることから、40歳を迎え保障を更新した場合、上がり幅の間をとって2倍としても約30,000円の支払いになります。

保険料が倍というのは大きな負担ではありますが、職場の同僚や他のご家庭に聞いてみてもどこも似たような状況なので、「まあこんなものなのかも」とやむを得なく更新することになります。

 

さて、さらに10年の月日が流れ、50歳を迎える3ヶ月ぐらい前になった頃、保険会社から一通のハガキが届きます。書いてある文章は10年前と同様です。

50歳から60歳はまさに働き盛り。お子さまも高校や大学に進学している頃で、多くの学費や生活費が必要になってくる年代です。もし自分に万が一のことがあったら大変と、再び更新をすることを選びます。

この際、40歳で更新した時よりもさらに10年分死亡リスクは上がっていますので、当然毎月の保険料もアップします。

その上がり幅は、同様にこれまで支払ってきた1.7〜2.3倍と言われています。

そのため、30,000円だった保険料はいっきに60,000円という高額になります!

とにかくお金がかかる時期に、この保険料の値上げは家計に大ダメージを与えますが、職場の同僚や他のご家庭に聞いてみても、やっぱりどこも同じような状況です。「保険ってこういうものなのか・・・・」と思いながらも、ご自身の万が一に備え、必死に支払っていくことになります。

さて、50歳からの10年間学費や生活費(多くは住宅ローンなど)、そして保険料と歯を食いしばって支払ってきて、60歳を迎える3ヶ月前になりました。

しかし、今回はいつものようにハガキが届きません。

おかしいなと思いつつも、特に気にすることもなく60歳、そしてその後の定年退職を迎えることとなりました。

定年後は夫婦で旅行に行ったり、今までゆっくりできなかった趣味を始めてみたり、孫の面倒を見たりと充実した余生を送り、平均寿命である80歳で亡くなったとします。

「自分が亡くなった場合、保険金を使って葬式とかお墓とかお願いね」と言っていた保険ですが、では遺族の方が保険会社に請求したところ、一体いくらもらえるのでしょうか。

3,000万円? いえ、実は200万円なんです。

というのも、上の保険は1つ目の保険(定期保険)でした。

払込をしている期間に万が一のことがあれば、保険金を受取ることができるけれど、その期間を過ぎたら1円も受け取れないという保険でしたね。

そのため、60歳の3ヶ月前は払込が終わるため、更新のハガキが届かなかったのです。

3,000万円の保険に加入したつもりで、受け取ってみたら200万円・・・・。

これ、先ほど上の方で見た、保障として加入している平均は1,800万円なのに、受取金額の平均が約281万円というのに似ていませんか?

ちなみにこの保険、生涯で1,500万円から2,000万円の保険料を支払って、受け取れる金額がこの場合だと200万円。

これは保険会社儲かりますよね・・・。

というのも、日本の大手生命保険会社が大々的にTVCMをうっている商品というのは、ほぼこの形の保険です。特定の商品名は伏せますが、「未来●●」とか、「●●人生」とか「生きる●●」みたいな、いわゆるペットネームと呼ばれる商品名が付いているものは、ほぼこの形だとお考え下さい。

実は、全体の80%が保険に加入しているという「保険大国」である日本において、恐らくその60〜70%の方はこの形の保険に加入していると考えられます。

なぜなら、この商品は高い利益を得ることができるため、保険会社としても積極的に販売しているからです。

このように、日本の生命保険会社はその商品の仕組みにより、非常に儲かるようになっています。(一方で本当に必要な時に保障が足りなかったり、更新により段々と保険料が高くなるという、加入者にとっては大きなデメリットがあります)

こうやって上がった利益によって、駅前の自社ビルや不動産に投資され、社員に高い給与を支払うことができ、年間数十〜100億円単位の広告費に費やされており、そのことが「知名度」や「安心感」として新たな加入者を集めるというサイクルをもたらしています。

ただ、見ていただいた通り加入者にメリットがある商品を販売していることで、利益が上がる分には全く問題ありませんが、本人が意図しない形で保障が無くなってしまうなどの設計となった商品に好き好んで加入する方はいらっしゃらないはずです。

もちろん保険会社側としても加入者を騙そうとしているわけではありませんが、実際の商品の仕組みを知った上で、それぞれのご家庭に合った商品選びをすることが重要です。

まとめ

https://www.pexels.com/photo/row-of-books-in-shelf-256541/

いかがでしたでしょうか。ここではこれまでのまとめを兼ね、日本の保険会社の商品についてご紹介してきました。

この章でもご紹介いたしましたが、生命保険の商品は実はその気になれば、比較的簡単にその仕組を理解できるものです。

ただ、最初から難しいのではと思い込んでしまっていたり、保険の勉強をするほど時間がない方が大半なのではないかと思います。

そのため、保険はなるべく1社専属の方ではなく、多くの商品を取り扱うような専門家にも相談してみると良いと思います。どちらがいいかではなく、両方の話を聞くと、それぞれの良し悪しが非常にわかりやすいと思います。

保険は家の次に高いものであると同時に、万が一の自分と家族を助けてくれるものです。

少しの手間が将来に渡って支払っていく金額と、受けられる保障に大きな違いをもたらすものですので、是非当サイトの記事を知識のベースにしていただき、詳しくは専門家に相談するようにしてください。

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